Tuesday, July 7, 2020

Stay home, Save livesで、食が乱れちゃった人、太っちゃた人、「デトックス体質改善ダイエット」しませんか?今回初の無料オンライン講座

薄々感じてはいましたが、やはり3キロも太っていました。家に閉じこもりっきりで、運動量も激減しているのに、食糧難に備えて夫が買い置きしたTrail mix(しかもMM入り)やパン類についつい手を出してしまった3ヶ月半。大反省です。みなさんはいかがですか?2015年より恒例で行われていた「デトックス体質改善ダイエット」を、久しぶりに開催します。今回は、日本とポートランド 同時開催の無料オンライン講座です。

お申し込みはこちら↓↓↓

講座と実践の2部制

このプログラムは、健康な食材や食べ方、体と脳の仕組み、消化のメカニズム、糖の代謝、食と心の関係など、90分のオンライン講座で「食」を様々な角度から学んだ後、Facebookグループでみんなで21日間実践するという2部制です。

いっしょにやりませんか?ストイックにやってもよし、ゆるゆるやってもよし。夏はサラダが美味しいし、BBQなら健康食の選択肢に困ることもないし、エネルギーを蓄えようとする冬期より楽に結果が出せますよ。

日程(Pacific Time):
オンライン講座(Zoom)710日、午後9時~(無料)
動画アクセス期間:711日~16日(無料)
21日間チャレンジ:717日~86日(参加費一人5000円。ドルでの支払い可)

*「21日間チャレンジ」は、講座を受けた方のみ参加いただけます。一度参加すると、次回から「21日間チャレンジ」に無料で参加いただけます。過去に参加された方は無料で参加いただけます。

お申し込みはこちら↓↓↓


千賀子·ハーパー
自然医学(ナチュロパシー)を専門とするオレゴン州認定のファミリードクター。副作用をともなう製薬を極力さけ、身体にやさしい自然療法で心身ともに真の健康をめざす統合医療に取り組んでいます。糖尿病、心臓血管病、婦人病、神経痛、アトピー性皮膚炎、アレルギー、自律神経失調、ホルモンバランスなど、また定期検診、婦人科検診、栄養指導など、日本語でお気軽にご相談ください。各種健康保険の適応あり。
☆講演やワークショップ、執筆の依頼も承っております。


電話:503.433.3144 
Lake Oswego Office: 15074 Bangy Rd, Lake Oswego, OR 97035
Portland Office: TBD

Monday, May 18, 2020

コロナウイルスの予防接種ができたら、受けますか?

いよいよ、規制緩和が始まりました。感染者数と死者数がもっぱらだったニュースも、徐々に規制緩和の方法論に移行し始め、ここ最近、熱く議論されているのが、予防接種と抗体検査です。さて、受けるべきか、受けないべきか?

<お知らせ>Drチカコのクリニックは、ただいま閉鎖中で、オンライン診察のみとなっております。保険が適用されます。ご予約は、こちらから。あるいは、直通:503.433.3144へお電話ください。

予防接種は、期待できるか?

世界中で、猛スピードで予防接種の開発が進められています。通常なら、数年はかかるはずの新型ウイルスの予防接種が、この秋の市場導入を目指しているというのだから、狂気の沙汰。すでに中国では、サルを使った臨床実験で効果が確認できたとか、もう2段回めの治験に入ったなどといったニュースも聞こえてきます。億万長者ビルゲイツ財団も、7種の予防接種の開発に出資しているとか。成功すれば、世界人口がお客さんになるんだから、製薬会社は躍起です。しかし、新しい予防接種の開発が、そう容易であるはずがないのも現実です。

予防接種で逆に悪化するADEという現象

実は過去に失敗した予防接種は数々あります。まず、古い記録では、幼児が感染するRSウイルス感染症。このRSV の予防接種後に、RSV ウイルスに自然感染した子供たちが、予防接種をしなかった子供たちに比べ、重症化しました。死者も出たため治験は中止となり、いまだにRSV の予防接種はできていません。もう一つの例は、デングー熱の予防接種, Dengvaxia®。フィリピンで大々的に行われた治験でしたが、過去にデングー熱に感染したことのない子供たちが予防接種を受けると、デングー熱に自然感染したときに重症化することがわかりました。10人の尊い子供の命が奪われ、現地でプロテストも起こりました。現在アメリカでは、デングー熱が流行る特定の地域に住んでいる916歳の子供で、過去にデングー熱にかかったことのある子供のみに限り、Dengvaxia®が許可されています。そして、一番新しいところでは、2002年に中国で流行ったSARSの予防接種で、またもや同じ現象が起きました。抗体依存性感染増加(ADE)と名付けれたこの現象が、予防接種開発の大きなハードルとなっています。予防接種の失敗例を見ると、1年足らずの超スピード完成した予防接種の安全性が心配です。一番乗りに予防接種を受けると、実験台になる可能性があるので、まずは様子を見ながら検討するのが賢明ではないでしょうか。

予防接種を急ぐ前に抗体検査を

予防接種の開発と同時に、各社が競って開発しているのが、抗体検査です。私たちの体に備わった自己免疫は、未知の病原菌と遭遇すると、抗体という免疫物質を作り、体に記憶します。新型のウイルスに感染すると、初回は撃墜するのに2週間ほどかかっても、2回目からは未然に感染を防げたり、軽度ですんでしまうのは、この抗体が効率よく病原菌を撃沈してくれるからなのです。現在、市場に出始めた抗体検査は、血中のIgGIgMという抗体の有無を調べます。IgMは感染した直後に作られ、短期間で消える抗体。一方、IgGは感染後しばらくして作られ、その後、ほぼ一生、体の中に残ります。予防接種の目的は、このIgG抗体を人工的に私たちの体に作らせ、特定の感染を予防しようというものなのです。(予防接種では、自然感染ほどの強い免疫を作れないので、何年かしてBooster Shotが必要になる場合もあります)ということは、あなたが、約80%の「新型コロナに感染しても軽症で終わった人」だったり、その何倍もいると思われる「接触しても感染しなかった人」だったら、すでにIgG抗体を持っている可能性があります。ならば、安全性が心配な予防接種を受ける前に、抗体検査を受けて、新型コロナに対するIgGの有無を調べるとよいのです。ちなみに、現在、感染者の特定に使われている検査は、PCR検査といって鼻の粘液にウイルスが存在するかどうかを調べます。今現在、新型コロナが疑われる症状がある場合は、PCR検査が必要です。IgM検査は、タイミングに個人差があるので、PCRの方がより正確でしょう。IgG検査は、感染後しばらくして血中に生成されるので、感染直後ではなく1ヶ月くらい待ってから検査を受けるのが良いでしょう。

抗体検査も、まだ発展途上

とはいえ、抗体検査もまだ発展途上で、各会社の検査の正確性にばらつきがあります。また、現在ある抗体検査は、陽性か陰性かの判断だけで、たとえ陽性であってもそれが十分な免疫と言えるかどうかの検証には至っていません。価格にも大きなばらつきがあります。IgMIgGがセットになっていることが多いですが、IgGのみで十分。大手検査会社Quest Diagnosisの検査が$55ですので、この辺りの価格が目安と考えると良いでしょう。保険適用されるかどうか、お持ちの保険会社にお問い合わせくださいね。検査をご希望の方は、当クリニックでも受け付けておりますので、info@DrChikakoHarper.com あるいは、直通電話 503.433.3144まで。

新型コロナウイルスの予防接種も抗体検査も、まだまだ発展途上。絶対安全でも、絶対正確でもありません。自分の置かれた環境、健康状態など、リスクとベネフィットを比較して、賢い選択をしてくださいね。そして、一番頼りになるのは自分の免疫であることを思い出し、「新型コロナに負けない、最強のカラダ作り」を読んで、自己免疫を強化しましょう。(夕焼け新聞4月号掲載記事)(写真:Pharmalive.com)

Dr 千賀子・ハーパー
自然医学(ナチュロパシー)を専門とするオレゴン州認定のファミリードクター。副作用をともなう製薬を極力さけ、身体にやさしい自然療法で心身ともに真の健康をめざす統合医療に取り組んでいます。糖尿病、心臓血管病、婦人病、神経痛、アトピー性皮膚炎、アレルギー、自律神経失調、ホルモンバランスなど、また定期検診、婦人科検診、栄養指導など、日本語でお気軽にご相談ください。各種健康保険の適応あり。

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Saturday, May 9, 2020

オンラインセミナー「コロナ対策、知っ得情報」、録画アクセスコードはこちら!

新しいFBグループ「ポートランド ウェルネス サークル」にお声かけいただき、さる5月1日にオンラインセミナーを開催いたしました。録画を無料で公開中です。以下のリンクからアクセスコードを取得ください。

Topic: コロナ対策「知っ得情報:やらない方がいい3つのこと」

ポートランド ウェルネス サークルのFBはこちら


Tuesday, March 24, 2020

新型コロナに負けない、最強のカラダ作り!


一向に収束の兆しが見えないCovid-19、新型コロナ。毎日のトップニュースが感染者数と死者数、呼応して出される州知事の緊急事態宣言ですから、この国はどうなっていくんだろう、世界はどうなるんだろうと、すがりどころのない不安に駆られる毎日ですよね。とにかくまずは、皆様が無事に在宅されていることをお祈りすると同時に、感染の最前線で活動されている医療従事者の方々に感謝いたします。

<お知らせ>Drチカコのクリニックは外出禁止令が解除されるまで閉鎖となっておりますが、電話・ビデオでの診察は継続しております。保険が適用されます。ご予約は、こちらから。時間外の診察も可能ですので、直通:503.433.3144へお電話ください。
アメリカ国務省が3月19日付で、米国民全員に「海外渡航中止」の勧告を出しました。この時点で海外旅行中のアメリカ人は即時帰国か、さもなければ、期限未定の帰国禁止。こんなこと聞いたこともない!世界各地でレベルは違えど、感染拡大の防止策が取られ、各国でワクチンの開発が猛スピードで進められています。とはいえ、ワクチンの製造には少なくとも数カ月はかかるし、ましてや新薬ともなればさらに時間がかかるので、速攻効果は期待できません。では、この恐ろしいウィルスを前に私たち人間は為す術もないのかというと、そんなことはないのです。私たち人間の体には、「免疫」と呼ばれる神業のごとく優れた自己防御のメカニズムが備わっていて、しっかり機能すればCOVID-19でさえ撃墜することができます。連日のニュースを見ていると、まるで明日にでも人類が感染の波に呑み込まれるかと焦りますが、統計的には感染者のほとんどが軽度で回復しています。そして、その何倍もの数の「接触しても感染しなかった人」がいるのです。

なぜ、COVID-19は、怖いの?

目には見えませんが、私たちは日頃からウィルスを含む様々な微生物と小競り合いを起こしながら共存しています。私たちの皮膚、喉や鼻、目の粘膜、胃腸壁には、様々な種類の白血球が常駐して外敵の侵入を防いでいます。防ぎきれずに感染を許してしまった場合でも、ほとんどの場合は大事に至ることはありません。では、COVID-19は何が特別なのでしょう?このウイルスが新種で感染力が強く、さらに毒性が強いからです。新種だと私たち人間に免疫ができていないため、たやすく感染が広がります。また、新種だからこそ、予防接種もない。感染力が強いうえに毒性が強いため、感染すると重症化する確率が高い。昨年12月ごろ、中国湖北省武漢市から発生したとされているCOVID-19の感染源は、野生のコウモリだと言われています。2002年に発生したSARS(重症急性呼吸器症候群)も、中近東で発生したMERS(中東呼吸器症候群)も、アフリカ諸国で発生したエボラ出血熱のエボラウィルスも、感染源は野生のコウモリでした。カリフォルニア大学の研究チームは、野生のコウモリにはウィルスに対する高い耐性があり、それゆえにコウモリが毒性の強いウィルスの温床になっているのではと指摘しています。

なぜ、華南水産市場から発生したの?

野生のコウモリに接触することが稀な人間へのCOVID-19の感染は、仲介の野生動物が関与しています。その感染経路として疑われているのが、武漢市の華南水産市場。実は、この市場はエキゾチックな野生動物の売買でも有名で、その不衛生さも問題視されていたようです。もう一つ、感染経路として疑われているのが、華南水産市場からわずか280メートルの距離にある武漢疾病対策予防管理センター。約600匹のコウモリを捕まえて実験が行われていたそうで、このセンターで出されたゴミの不備がウィルスの温床になったのではとも言われていますが、確実なところは、まだ闇の中のようです。

人から人への感染は、せきやくしゃみのしぶきから。

私たちは、いつの間にか自然から隔離され、衛生環境の整った温室育ちになってしまいました。荒々しい自然に生き抜く抵抗力の強い野生動物たちは、私たちにとって未知の毒性を持っているので、安易に近づかない、触れない、不衛生な場所にもいかない、不衛生な食べ物も口にしないのが賢明です。自然界を甘く見てはいけません。守られた人間社会を一歩出れば、私達も地球上に生息する動物の一種に過ぎず、食うか食われるかの無情な生存競争に身を置くことになります。

COVID-19は、せきやくしゃみのしぶきを介して人から人へ感染します。鼻やのど、目の粘膜から侵入し、気管支に入り込み、自己免疫が弱いとさらに肺へと侵入し、肺炎を起こし、肺機能が低下して呼吸ができなくなって死に至ります。では、どうすればよいのか。自分の免疫を強めて、鼻と喉の粘膜でおっぱらってしまえばよいのです。

特効薬も予防接種もない今こそ、頼みの綱は自分の免疫です。「自己免疫を促進する生活12か条」をまとめました。COVID-19に接触しても感染しない強い身体を作りましょう。

自己免疫を促進する生活12か条

1)可能な限り、人混みには行かない。特に飛行機やバス、船など、長時間の密室は避けましょう。ウイルスは粘膜から侵入してきます。マスク、メガネ、サングラスなどで粘膜をカバーしましょう。マスクが手に入らない場合は、コットンの手作りマスクでもないよりはマシです。
2)外出後の手洗い、うがいを徹底しましょう。ただし、アルコールなどでの過度の洗いすぎで皮膚の保護膜を壊すと逆効果になります。手で目を触ることも避けましょう。
3)規則正しい生活をして、十分な睡眠を取りましょう。睡眠中に免疫が活発になり、逆に睡眠不足は免疫を低下させます。
4)体を冷やさないように。体温が下がると免疫が下がります。風邪をひいたかなと思ったら、生姜湯で体を温めましょう。生レモン汁、生しょうが、生ハチミツのお湯割りを飲んで、毛布にくるまって体温を上げることで免疫を活発にすることができます。
5)水分を十分に補給しましょう。免疫が感染と戦っている間に脱水症状になります。補給を忘れずに。冷たい水よりも、体を冷やさない白湯がおすすめです。
6)お酒、たばこ、甘いものは、免疫を低下させます。
7)良質のタンパク質と緑黄色野菜や果物をたくさん食べましょう。特にビタミンCβカロチン、亜鉛が、ウィルスへの免疫力を高めます
8)適度な運動。体を動かして血行を促し、体のお巡りさんである白血球を身体中に巡回させましょう。
9)毎日、きれいなウンチをしましょう。キレの良いバナナ形のウンチが目標です。それには、食事をよく噛むこと(アメリカでは31回噛みましょうと言います)、納豆やヌカ味噌など発酵食品を食べて腸の善玉菌を育てること。Probiotics を服用するのも良いでしょう。
10)深呼吸をしましょう。吸い込んで身体中の細胞に酸素を送り、吐き出してネガティブな感情を外に追いやりましょう。
11)やっと太陽が出てきました。陽に当たりましょう。新型コロナは、紫外線に弱いという研究結果があるのですよ!太陽の光が皮膚に当たるとビタミンDが生成されて、抗ウイルス作用を発揮します。
12)笑いましょう。体内のナチュラルキラー細胞が活発になり、免疫が上がります。誰もが先行きに不安を感じていることでしょう。でも心配やストレスは免疫を下げてしまいます。この際、「生きてさえいればいいじゃないか」くらいに達観して、できることをひとつひとつこなしていきましょう。


Dr 千賀子・ハーパー
自然医学(ナチュロパシー)を専門とするオレゴン州認定のファミリードクター。副作用をともなう製薬を極力さけ、身体にやさしい自然療法で心身ともに真の健康をめざす統合医療に取り組んでいます。糖尿病、心臓血管病、婦人病、神経痛、アトピー性皮膚炎、アレルギー、自律神経失調、ホルモンバランスなど、また定期検診、婦人科検診、栄養指導など、日本語でお気軽にご相談ください。各種健康保険の適応あり。

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Tuesday, June 18, 2019

皮膚科学会よ、患者を薬漬けにしないで! アトピーの原因はカビ感染です。

昨年12月、日本皮膚科学会東京支部の学術大会に出席してきました。私自身、アトピー性皮膚炎と診断されて、医者に処方されるがままに使い続けたステロイド剤の依存症に陥り、重度の全身アトピー患者となりました。幸いにもステロイド反対派の皮膚科医の先生に巡り会い、壮絶なステロイド離脱を決行したのが、ちょうど20年前の41日。その後、完治を目指してオレゴン州にある自然医学大学に入学しました。研究文献を読み漁り、自分自身の体で様々な人体実験を行って、ついに原因が、なんのことはないカビ感染だと解明したのです。ちょうど同時期に、広島大学医学部がアトピー性皮膚炎における汗アレルギーの原因物質が皮膚常在菌の一種、マラセチアというカビであると発表しました。欧米でも近年の目覚ましいDNA解析技術のおかげで、皮膚常在菌の種類がどんどん特定され始め、その存在とバランスこそが皮膚の健康に重要な役割を果たしていることが解明されてきました。つまり、今までは表皮の外側の角質層と皮脂が皮膚バリアを作っている考えられていたのが、実はその上に皮脂や汗を食べて生息している微生物がいて、より多くの善玉菌が生息していると健全な皮膚バリアが作られるということが分かってきたのです。人体の常在菌の研究「Human Microbiome」は、今、世界で最も注目されている分野の一つであり、皮膚や胃腸だけでなく、がん、泌尿器、生殖器など様々な分野において、今までの治療のあり方を革新するゲームチェンジャーとも目されています。 

皮膚科学会は、なぜ変わらない?
ステロイド離脱を乗り越えて20年。その間の新たな医学の解明で、アトピー性皮膚炎の治療もさぞ進化したことだろう、そう期待して、日本皮膚科学会に参加してみると、とんでもない、日本皮膚科学会の標準治療は、真逆の方向に進化していたのです。

日本皮膚科学会の標準アトピー治療は、

  • 皮膚の炎症が起こる前にステロイド、タクロリムスをどんどん使って炎症を軽減する
  • 皮膚を保護するために、保湿剤をどんどん使う
  • それでも効かない患者には、新薬、デュピルマブ(デュピクセント)を皮下注射して炎症を抑える
学会で発表されていた教授の方々は、素晴らしい頭脳の方ばかり。皮膚の構造や炎症のメカニズム、遺伝子異常など詳細に研究されていて、大変勉強になりました。しかし、これだけ皮膚を知り尽くしていながら、なぜ、皮膚に生息する微生物の関与を疑わないのか、なぜ、炎症を抑えることばかりに終始するのか不思議でなりません。

20184月から一般診療が開始されたデュピルマブ(デュピクセント)という薬剤は、私たちの皮膚が作るIL-4 IL-13という炎症タンパク質を阻害する薬です。アトピー患者の皮膚と健康な皮膚を比較したところ、アトピー患者の皮膚にIL-4 IL-13が多く見られたので、これらを阻害すれば炎症が起こらなくなりアトピーが治る。。。という発想をあまりにも短絡的だと感じるのは私だけでしょうか。

炎症タンパク質は自己免疫の一環です。皮膚がIL-4 IL-13を作っているのには、何らかの理由があるからだとは、なぜ考えないのでしょうか?IL-4 IL-13はアレルギーと関係してます。マラセチア真菌がIL-4 IL-13の生成を促すことを確認する研究発表もあります。広島大学医学部が発表したマラセチアに対するアレルギー反応という研究成果と一致しています。

1953年に認可されたステロイド剤は、炎症を抑える免疫抑制剤。1999年に認可されたタクロリムスは、臓器移植を受けた患者の拒絶反応を抑制する免疫抑制剤。去年認可されたデュピルマブもまた免疫抑制剤。なぜ、皮膚科学会は患者の免疫を抑制して炎症を抑える事に終始するのでしょうか?いくら免疫を抑制して炎症を抑えたって、原因を取り除かなければ皮膚は炎症反応をやめません。つまり、皮膚科学会のアトピー治療は悪循環です。

(皮膚のカビ感染)→炎症→免疫抑制剤→免疫抑制による症状の一次的な改善→自己免疫低下によるカビ感染の増殖→炎症の悪化→さらに強い免疫抑制剤→アトピー症状の重症化→患者の免疫抑制剤への薬依存。

この悪循環のために、次々に製薬会社が新しい免疫抑制剤を開発し続けている。このことに皮膚科学会は疑問を感じないのでしょうか?

ちなみに、新薬のデュピルマブは、1本あたり約8万円で、3割負担でも24,000円。2週間おきに注射が必要なので、ひと月約5万円の患者負担という大変高価な薬です。

免疫を抑制しないで!

私たちは地球というエコシステムに生きています。動植物や目に見えない微生物たちと、時に支え合い、時に敵対し、共存して暮らしているのです。地球上には不毛な場所など存在せず、私たちの皮膚表面にもカーペットのように微生物が生息しています。それでも、私たちがそれらの微生物に感染しないのは、私たちの体に備わった免疫が24時間稼働しているからなのです。

皮膚の赤み、腫れ、化膿、かゆみ、カサカサ。これらの症状すべてが体の免疫反応で、多くの場合、感染が原因です。寝不足やストレス、栄養の乱れ、甘いものの食べ過ぎ、タバコやお酒などで免疫機能が下がると、皮膚に生息している微生物が皮膚内に侵入してきます。健康な食と生活習慣で健康な心身を整え、体の免疫機能が十分に働くように日々心がければ、それだけで肌荒れはもとより、アトピーもニキビも治りうるのです。また、毎日、石鹸でゴシゴシ洗い過ぎたり、熱いお風呂につかリすぎたりするのも、皮脂を取り過ぎ乾燥させて皮膚バリアを壊し、菌やカビの侵入を許してしまいます。皮膚に生息する善玉菌は、私たちの皮膚が作る皮脂や汗を餌に生息しています。健康な食生活で健康な皮脂を作り皮膚の善玉菌を育てることこそが美肌の秘訣。どんなに高級な保湿剤でも善玉菌は育たちません。お風呂は毎日入らず、石鹸は極力使わないほうが、実は皮膚は健康に保たれます。

そう考えると、ステロイドやタクロリムス、デュピルマブで免疫を抑制することが、どれほど間違っている治療であるか、どれほど恐ろしいことなのか。使い続ければ、行き着く先は生ける屍です。

皮膚に生息するカビがアトピー性皮膚炎に関与していることを確認する研究文献は、すでに多数存在しています。今後も加速度的にDNA解析が進み、皮膚常在菌の全容が解明する日は近いのです。にも関わらず、2日間に渡って、複数会場で総勢100人にも及ぶ講師陣による講義が行われた皮膚科学会東京支部学術大会で、皮膚常在菌の講義をされたのは、ミシガン大学医学部で研究されていた先生一人だけ。しかも時間にして30分ほどのおさわり程度でした。いつまでも自己免疫抑制の治療ばかりに専念する日本皮膚科学会は、全てが解明されるXデーをどう迎えるのでしょうか。


Dr 千賀子・ハーパー
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Tuesday, February 12, 2019

第11回 Detoxセミナー&21日間チャレンジ、本日から突入です!

さてさて、またまたリクエストをいただき、さる4月29日月曜日に、Detoxのキックオフセミナーを開催いたしました。3日間の冷蔵庫のお掃除後、本日5月3日から21日間チャレンジに突入です!

今回は15名の参加です。過去に参加された方は、FaceBookグループでの21日間チャレンジに無料で参加いただけます。ご希望の方は、Info@DrChikakoHarper.comにご連絡下さい。Inviteをお送りいたします。


Date: 4月29日月曜日10−12時
場所:Dr Chikakoのクリニック
料金:Early bird special $25 (当日$50)

次回のデトックスダイエットチャレンジに参加されたい方は、こちらのリンクにご登録
ください。次回の日程が決まり次第、ご連絡差し上げます。
https://goo.gl/forms/r4bictbcQvUtJYrG3

Monday, June 4, 2018

あんなに仲よかったのに夫婦の仲がギクシャク。 それって産後クライシスの後遺症かも!


子供が小学校に上がり、だんだん手がかからなくなって来ると、相方の存在に気がつき始めます(笑)ところが、あら~?結婚当初はあんなにラブラブで優しかった夫が、子育てに奔走している間に、なんだか...その態度、その言葉、冷たくない?出産や育児を機に夫婦関係がギクシャクするケースを、日米に限らずよく耳にします。平成23年度に厚生労働省が日本の母子家庭を対象に行った調査によると、約3割が産後2年以内に離婚。子どもが35歳の時に離婚した家庭を含めると、その数は全体の半数を超えるそうです。うちもギクシャクしていた時期がありました(汗)。思い返せば、結婚当初のハネムーン期は、私も夫もお互いへの思いやりに溢れていました。お互いが喜ぶ顔が見たくて、喜ぶ言葉をかけ、喜ぶことをして。こういう幸せな時間は妊娠まで続き、妊娠を機に少しずつ変化をきたし、出産で一気に激変。右も左も分からないまま、手探りの子育てに突入し、仕事の両立に四苦八苦。人相も変わり、相手への思いやりどころじゃなくなってしまいました。お互い必死だから、言いたい放題。感情に任せて何を言ったかも覚えていないくらい(失笑)。出産や育児により、良好な夫婦関係が築けなくなり、最悪の場合離婚にまで至ってしまう夫婦関係の現象を「産後クライシス」と呼ぶのだそうです。ベネッセ次世代育成研究所が0610年にかけて288組の夫婦を対象に行った調査とNHKが行った約1200人へのアンケートの結果、子供の年齢が012歳と上がるにつれ、「妻・夫への愛情を実感する」割合が、妻・夫ともに減少する傾向が見られるそうです。特に妻側に急激な減少が見られ、その原因として「出産後の家事育児への非協力、理解不足、ねぎらいの言葉の不足」などがあげられるそうです。

夫の家事育児への非協力、理解不足はなぜ起こるのか?

ズバリ、妊娠と出産を経験していない人には、想像すら及ばない壮絶な身労と心労を妻だけが体験するからです。妊娠、出産、産後にかけて、妊婦は怒涛のホルモンジェットコースターに乗せられます。卵子と精子が結合して受精卵が生まれ、子宮膜に着床するとHCGというホルモンがものすごい勢いで分泌され、胎盤が作られます。この時期はつわりや体調不良に見舞われますが、やがて、この胎盤から女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロン、そしてDHEAというホルモンがものすごい勢いで分泌され、活力がみなぎります。その間も胎児はどんどん成長し、妊婦は10キロ以上も太ります。お産が近づくと狭い産道からの出産を可能にするため、プロゲステロンが骨盤の関節を緩め始めます。出産自体、まるでトラックに跳ねられたほどの肉体的衝撃で、骨盤の歪みなどが原因で腰痛になったりしますが、それだけでなく、出産と同時に胎盤も失うので、突然のホルモン減少による精神的、肉体的な衝撃も大きいのです。産後は、生まれてきた赤ちゃんにおっぱいをあげるために、今度は脳からプロラクチンというホルモンが放出され母乳を作り始めます。赤ちゃんがおっぱいを吸い始めると、脳からオキシトシンというホルモンが放出されて、どんどん母性本能に目覚めていきます。イタリアで行われた研究によると、プロラクチンには、子供以外の他者に対する敵対的感情を促す作用があり、母親を大胆不敵にすることが確認されています。つまり、子宮に受精卵を身ごもったその日から、私たちは何も知らされずに、この絶叫ホルモンジェットコースターに乗せられ、妻から妊婦へ、妊婦から母親へと、しかも近寄るもの全てに歯茎むき出しで威嚇する母ザルへと変貌を遂げていたのです。

ホルモンの変化で、凶暴化する妻

そういえば、産後しばらく、夫が帰ってくるのを待ち構えてイライラをぶちまけていました。産後疲れと、昼夜泣き続ける我が子のために寝不足な上、思うように母乳は出ないし、仕事も気になるし。そういう理由でイライラしていたのかと思っていましたが、冷静に思い返せば、あの抑えられないイライラと怒りは普通ではなかった。プロラクチンの仕業だったんですね。それに気づいたら、急に夫が気の毒に思えてきました。考えてみれば、子作りの夫の役割は射精だけで、体になんの変化も起こらない。ところが妻は、その日から日に日に豹変し、大胆不敵な母ザルへ変貌していきます。その変化を側で見ながら、訳もわからず恐怖に包まれ、置いてきぼりにされる夫。出産後、妻は敵対心むき出しに凶暴化しているから、怖くて育児や家事に手が出せない。だから、ますます仕事に没頭するという悪循環へ。ホルモンの影響で凶暴化していることに全く気づいていない妻は、産後の大変な時期に非協力だった夫に不信感を募らせ、やがてそれは恨みとなって心に深く根を下ろし、ついには離婚に至ることも。子供が生まれてから夫婦関係がギクシャクしている方は、冷静になって、あの頃を思い出して見てください。思い当たる節はありませんか?


子作りは夫婦の共同作業ですが、妊娠、出産、産後を通してけたたましいホルモンの増減で大きく変貌するのは妻だけ。これが、夫婦間に大きな乖離が生じる原因です。せっかく出会って好きになって結婚した夫婦です。妊娠・出産を通して、心身にどのような変化が、なぜ起こるのか、夫婦ともに事前に理解していれば、「産後クライシス」もお互いを思いやり、協力しあって乗り切ることができます。乗り切れば夫婦の絆はより深いものになるでしょう。

千賀子・ハーパー
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講演やワークショップ、執筆の依頼も承っております。

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