Sunday, December 1, 2013

究極の免疫食!スパイスから作るカレー



12月に入り、すっかり冷え込みましたね。ここ最近、ハマっているのが、身体のしんからぽかぽかに暖まるカレー。といっても市販のカレールーは使いません(ちなみに、市販のカレールーの中身を読んだ事ありますか?怖くて食べられなくなりますよ)。まず、風邪退治の御三家、玉ねぎ、ニンニク、ショウガ。肝臓の解毒機能を促進するウコン、胃腸機能を助けるクミンシード、さらにシナモン、クローブなど身体によい様々な効能を持つスパイスをふんだんに使い、煮込めば煮込むほど抗酸化成分リコピンが凝縮されるトマトたっぷりで煮込みます。簡単に作れて、冷凍保存が可能。小瓶に分けて冷凍しておくと使い勝手がよくて便利です。試してみてください!

材料(4人分):

玉ねぎ 1個
ニンニク 2−3かけ
生姜 スライス6−7枚(お好みでもっと入れてもOK)
エキストラ・バージン・オリーブ油(風味にバターを少々入れてもOK)
Garam Masala (混合スパイス) 大さじ1杯、ウコン(Turmeric) 小さじ1-2 杯、クミンシード(Cumin seeds) 小さじ1-2 杯  *お好みで調整してください。
トマトペースト 小さじ一杯
鶏肉、ツナなどお好みで
ローリエ葉 2−3枚
チキンスープストック カップ2−3杯
トマト缶 小1缶
ジャガイモ、人参、グリーンピースなどお好みで。Cilantro(コリアンダー)など入れても美味しいです。

①ステンレス製の大きめの鍋に、エクストラ・バージン・オリーブ油、玉ねぎ、ニンニク、生姜を入れて、玉ねぎが透き通ってくたくたになるまで炒める(玉ねぎの甘みを充分に出すのがミソ。絶対に焦がさないこと)。風味にバターを少々落としても可。

②玉ねぎがくたくたになったら、Garam Masala 、ウコン(Turmeric)、クミンシード(Cumin seeds)を入れて炒め、トマトペーストを入れて、さらに炒める。

③一口サイズに切った鶏肉やツナなど、お好みのタンパク質を入れて炒める。回りに焼きめがついたら、チキンスープストックとトマト缶(煮てしまうのでDiced でもWholeでも何でもOK)、お好みの野菜、ローリエ葉を入れて煮ます。ぐつぐつしてきたら弱火にして時間をかけて煮詰めるとどんどん美味しくなります。冷凍する場合は、ジャガイモは入れずに。


ご飯は太りやすいので代わりに、茹でたカリフラワーや人参、ブロッコリーといっしょに頂くと究極の免疫&デトックス食になり、健康的で身体のお掃除になります。今年もお世話になりました。来年一年も、皆さんと一緒に健康を考えましょう!
(夕焼け新聞2013年12月掲載記事より)


お問い合わせは、info@DrChikakoHarper.com あるいは(米国+1) 503.477.0472まで

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千賀子・ハーパー
自然医学(ナチュロパシー)を専門とするオレゴン州認定のファミリードクター。副作用をともなう製薬を極力さけ、身体にやさしい自然療法で自己治癒を促進し、心身ともに真の健康をめざす統合医療に取り組んでいます。糖尿病、心臓血管病、婦人病、神経痛、アレルギー、自律神経失調、ホルモンバランスなど、また定期検診や栄養指導など、日本語でお気軽にご相談ください。健康保険の適応あり。講演やワークショップの依頼も承っております。

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4085 SW 109th Ave. Ste.200, Beaverton, OR 97005


Tuesday, October 1, 2013

感染して進化する自己免疫の技

3歳半の娘の鼻がズルズル、咳コンコン。風邪の季節の到来だあ〜と思いながら油断したら、あっという間に風邪をひいてしまい、寝込みはしませんでしたが、久しぶりに3日ほど体調不良に見舞われました。目に見えないので実感が湧きませんが、ウイルスは常に私たちの周りに潜んでいて、侵入のチャンスを伺っています。この時期こそ、いっそうの警備強化で臨まなければなりません。

ところで、風邪の原因はウイルスであることをご存知の方は多いかと思いますが、ウイルスが身体に侵入すると、どのように悪さをして、私たちの免疫がどのように対戦するか、ご存知でしょうか? 菌よりもっと小さい微生物であるウイルスには、細胞がありません。ばい菌の場合は、体内に侵入すると人間の細胞を栄養にして細胞分裂し繁殖しますが、細胞を持たないウイルスは、人間の細胞の中に入り込み、人間の細胞の複製機能を乗っ取って、ウイルスを増殖させます。ということはどういうことか。「人間の細胞を乗っ取る」というポイントが大変重要です。まず、人間の細胞になりすましているために、警備に回っている白血球によるウイルス感染の発見が遅れます。菌の場合は、 誰の目にも不法侵入者であることが明らかなため、 体内を一番多く徘徊しているNeutrophilと呼ばれる白血球や粘膜などに常時張り付いて警備をしているマクロファージなどが、菌を発見し、速攻撃墜します。人間になりすましているウイルスの場合は、もう少し高度な組織的な戦術が必要になるのです。まず、人間になりすましたウイルスを発見したお手柄白血球が、リンパ球と呼ばれる白血球に知らせます。知らせを受けたリンパ球は、抗体を作り、ウイルスに抗体で印を付けて周り、リンパ球の特殊部隊であるキラーT細胞に撃墜させるのです。新種のウイルスに感染すると1-2週間寝込んだりするのは、この発見の遅れと抗体開発にかかる時間が原因なのです。組織的な戦闘期間は、体内の免疫作用による炎症が起こるため、鼻水、咳、発熱、悪寒、関節の痛みなどに見舞われますが、治らないからと症状を緩和する製薬などを服用すると、免疫が落ちてかえって風邪をこじらせることにもなりかねません。ましてやウイルス性の風邪に抗生物質(Antibiotics)を服用するなどは論外です。抗生物質は、ほとんどの場合、菌の細胞壁を破壊する物質で作られているので、細胞を持たないウイルスには細胞壁も当然なく、抗生物質は何の役にもたたないのです。それどころか、むやみに抗生物質を飲むと、体内の善玉菌が死滅して、悪玉菌の繁殖を許し、大腸炎などもっとやっかいな疾患を引き起こすことになりかねません。


風邪は未然に防ぐのが一番です。手洗いとうがいを徹底して、身体を冷やさないこと。ストレスを溜めないようにして、十分な睡眠で心身を休息させること。身体を温める根菜と魚中心の食事にし、免疫を下げる砂糖やアルコールは控えましょう。それでも風邪をひいてしまったら?実はそれもそれでOK!リンパ球にはメモリーB細胞という資料室があり、過去の不法侵入者の情報が保管されていて、同じ侵入者の再入を実に効率よく防止できるシステムになっています。風邪をひいてしまったら、今期の新型ウイルスの資料を入手して、資料室の情報を充実させているのだ。。。。と観念し、身体を休め、ビタミンC、A、亜鉛、水分を補給し、自己免疫が最大限の力を発揮できるよう応援しましょう。
(夕焼け新聞2013年10月掲載記事より)


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千賀子・ハーパー
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Thursday, August 1, 2013

まだらになる美白化粧品

美白化粧品で肌がまだらに白くなる被害が続出し、開発したメーカーが自主回収に踏み切ったという日本のニュースを目にしました。独自開発したロドデノールという成分に肌を白くする効果があるとして、厚生省から新規に認可を受け発売されたそうですが、美白になるはずの化粧品で、顔が白斑点状になったとは、恐ろしい話です。
その美白有効成分 ロドデノールなるものが、肌のメラニン色素の生成に必要な酵素チロシナーゼの働きを阻害し、メラニンを作る細胞メラノサイトがメラニンを作れないようにするのだという説明を読んで、さらに怖くなりました。

知れば知るほどこわい、美肌成分ロドデノール!

肌は紫外線を浴びると、紫外線のダメージで細胞のDNAが破壊されないように、メラノサイトという細胞がメラニン色素を作ります。つまり、肌を褐色にして紫外線を遮り細胞を保護するという体に備わった知恵。ジリジリと照りつける直射日光をさけてカーテンを閉めたり、帽子をかぶったり、サングラスをしたりするのと同様、肌自らが作用して自然の日焼け止めを作るのです。メラニンは、紫外線の50〜75%を吸収すると言われています。

ところが、この美白有効成分 ロドデノールは、肌の保護機能を妨害し、肌を無防備なまま太陽にさらすことを強要するわけです。細胞のDNAが破壊されれば、皮膚がんを発症しかねません。地球に到達する紫外線UVAとUVBのうち、直接的にDNAに吸収されるUVBが、皮膚がんの主な原因とされていますが、UVAもまた窓ガラスや日陰でも遮られることなく皮膚深層に浸透し、皮膚の弾力性を保つコラーゲンやエラスチンを破壊します。使い続けると白斑点になった挙げ句、シワシワにたるみ、皮膚がんになるかもしれない化粧品。開発したメーカーはあまりにも無責任です。

化粧品にたよらない健康美肌をめざそう。

肌の色を変えることは、残念ながら不可能ですが、化粧品に頼らなくてもハリのあるツヤツヤ肌をつくることは可能です。ツヤツヤの肌の潤いは実は皮膚表面の常在菌のバランスで保たれています。腸内の常在菌の重要性は広く知られるようになりましたが、皮膚表面の常在菌もまた肌の健康に欠かせない存在なのです。この常在菌たちが私たちの皮膚表面の皮脂や汗を食べて弱酸性の脂肪酸を排出します。それが皮膚の保護膜となっているのです。美肌を保ってくれるありがたい善玉菌を見方につけるためには、野菜と魚中心の食事、十分な睡眠、適度な運動で汗をかき、善玉菌のえさとなる良質の皮脂をつくること。また、常在菌が好む弱酸性のPhバランスを保つために、石けんやクレンジングなどで皮膚をゴシゴシ洗いすぎないことも大切です。
(夕焼け新聞2013年8月掲載記事より)


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千賀子・ハーパー
自然医学(ナチュロパシー)を専門とするオレゴン州認定のファミリードクター。副作用をともなう製薬を極力さけ、身体にやさしい自然療法で自己治癒を促進し、心身ともに真の健康をめざす統合医療に取り組んでいます。糖尿病、心臓血管病、婦人病、神経痛、アレルギー、自律神経失調、ホルモンバランスなど、また定期検診や栄養指導など、日本語でお気軽にご相談ください。健康保険の適応あり。

☆講演やワークショップの依頼も承っております。

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