Thursday, May 29, 2014

絶対に口にしてはいけないシリーズ・続編 ~養殖サーモンは白かった。

Farm raised (養殖)のサケには着色料が入っているのにお気づきの方は多いかと思います。「身が赤い方が売れるからだろう」と軽く考えていたある日、あれほどオーガニックだ!と声高にうたっているWhole Foodsでさえ、Sustainableな環境で育てられた養殖サケに、やっぱり”天然”の着色料が添加されていることに気づきました。Whole Foodsにわざわざ買い物に来る人たちが、着色料を加えてまで赤くしたサーモンを欲しがるだろうか?ふとした疑問から調べてみたらびっくり。養殖サーモンの身はピンクが薄いのかと思いきや、ピンクどころか灰色がかった白。そりゃ〜着色しないとサーモンには見えない訳です。

養殖サーモンの裏事情

ご存知のように天然サケには母川回帰の生態性があります。川上で卵から孵りある程度に育つと、より豊富な餌を求めて降海し、魚種によっては遠く北洋までも回遊してえびやオキアミなどの甲殻類を食べて成長します。その甲殻類に含まれるアスタキサンチンという成分があの象徴的なサーモンピンクを作るのです。雑魚から作られた人工餌で養殖されたサーモンの身が赤くなるわけもなく。そこで、アスタキサンチンまたはカンタキサンチンといった成分を飼料に混ぜて身を赤くさせ、サーモンらしく体裁を整えているわけです。アスタキサンチンやカンタキサンチンをさらに調べると「自然界に存在する成分なので安心」という説明を多く目にします。雑魚から作った飼料で低コストに抑えながら、甲殻類から抽出した天然のアスタキサンチンを使っているとは考えにくいので、たぶん化学合成でしょう。

農薬、抗生物質、天然サーモンを脅かす生態系の破壊

では、灰色養殖サーモンはどんな環境で養殖されているのでしょう。カナダの非営利団体CAAR (the Coastal Alliance for Aquaculture Reform)によると、ほとんどがOpen net cageと呼ばれる方法で養殖されているそうです。アメリカンフットボール球場2つほどの広さのネットを湾岸に張り、100万匹ものサーモンを卵から成魚に養殖するため、寄生虫や病気が発生して抗生物質や農薬を多用しているのだそうです。アメフト球場のサイズを調べて換算してみると、110メートルx50メートル四方に50万匹、ということは1メートルx50センチ四方に5000匹。。。オープンネットのため、ネット内で発生した寄生虫やウイルス、病原菌、使用している農薬や抗生物質はそのまま海に垂れ流しとなり海洋の汚染が深刻化し、その汚染が回帰してくる天然サーモンの、また川上で卵から孵って海洋を目指し降海する未熟なサーモンの生命を奪っているのだそうです。イギリスのGreenTV制作「サーモン養殖の裏側に迫る」を見ると汚染は地域の住民にまで及んでいるのが垣間みれます。
遺伝子組み換え、Fructose corn syrup(高果糖液糖)、MSG(化学調味料)、成長ホルモンと抗生物質まみれの肉。。。絶対に食べてはいけない食べ物は増えていくばかり。甘いと売れるー>砂糖は高いー>安価なFCSで代用。サーモンは売れるー>化学薬品を多用して安価に養殖ー>赤く着色。せっかくの企業の資源と努力が消費者を欺くことに費やされている。憤りを感ぜずにはいられません。食産業よ、正しい情報を開示せよ!私たち消費者は、健康を犠牲にして環境を破壊してまで、赤く着色した養殖サーモンを食べたいと思っていないのだ!正しい情報をもとに双方協力し、環境と身体によいSustainableな食を目指そうではありませんか!
(夕焼け新聞2014年5月掲載記事より)
お問い合わせは、info@DrChikakoHarper.com あるいは(米国+1) 503.477.0472まで

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千賀子・ハーパー(西脇)
自然医学(ナチュロパシー)を専門とするオレゴン州認定のファミリードクター。副作用をともなう製薬を極力さけ、身体にやさしい自然療法で自己治癒を促進し、心身ともに真の健康をめざす統合医療に取り組んでいます。糖尿病、心臓血管病、婦人病、神経痛、アトピー性皮膚炎、アレルギー、自律神経失調、ホルモンバランスなど、また定期検診や栄養指導など、日本語でお気軽にご相談ください。健康保険の適応あり。講演やワークショップの依頼も承っております。

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