Friday, October 20, 2017

砂糖を徹底解明!カラダに良い砂糖ってどれ?

食べても良い砂糖ってどれですか?っという質問をよく受けます。サッカリン、アスパルテーム、スクラロースなどの発がん性が疑われる人工合成甘味料やHigh Fructose Corn Syrup(高果糖糖液、果糖ブドウ糖液糖などと記載されています)は誰の目にも体に悪そうですが、では三温糖は?Brown Sugarは?ココナツシュガー?アガベ?蜂蜜?メープルシロップ?カラント?ステビアは?天然甘味料なら良いのか?どれがいちば良いのか?突き詰めれば突き詰めるほど『?』は深まるばかりですよね。というわけで、今回は砂糖を徹底研究。

まず、根本的なところから。砂糖はなぜ体に悪いのか?砂糖自体が悪いわけではないのです。食料が絶え、何週間も食にありつけず体が弱りきってしまっているなんていう状況ではもちろん砂糖は必要です。ところが、飽食の先進国に住む私たちがそんな状態になることはまずなく、車社会で歩くことさえ稀なアメリカに暮らしていれば、カロリー摂取過多とカロリー消費減少のダブルパンチでみるみる太って行きます。砂糖とは精製に精製を重ね、食物繊維やミネラル、さらには不純物を取り除いたピュアな究極のカロリー(つまり高カロリー)。十分なカロリーをすでに蓄えた私たちが、そのピュアな高カロリーを口にすると、インシュリンが急激に上昇し、余剰カロリーは中性脂肪に変換され、脂肪細胞に蓄積されます。肥満へ、メタボへ、生活習慣病へ、糖尿病へまっしぐらというわけです。

では、砂糖の取りすぎが体に悪いのを理解した上で、あえていうならどの砂糖が良いのでしょうか?一つ一つ検証して行きましょう。

グラニュー糖、上白糖、三温糖、ブラウンシュガー
なんとなく茶色い方が未精製で栄養価が高いのかなと思いがちですよね。ところが砂糖の製造工程を見ると実はどれもどんぐりの背比べ。製造工程をわかりやすく解説しているサイトを見つけたのでこちらを参照ください(https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_000610.html)白糖と三温糖は、製造工程の最終段階で結晶と糖液に分離され結晶が砂糖に、糖液が三温糖になるというだけ。あえていうなら三温糖には微量のミネラルが残っているかもという程度なのだとか。上白糖はしっとり感を出すために細かい結晶の表面に「ビスコ」と呼ばれる転化糖(ショ糖を分解して出来る果糖とブドウ糖の同量混合物)を添加しています。つまり、さらに加工しているわけですね。ちなみにこちらでいうMolassesは三温糖になる前の糖液。Brown sugarは、砂糖に後からMolassesを10%ほど加えたもの。三温糖と銘打っても砂糖に糖液を混ぜているだけのものも三温糖として市場に出回っているらしいので、なんだか知れば知るほどがっかりです。

ココナツシュガー、アガベ、蜂蜜、メープルシロップ
伝統的なはちみつやメープルシロップに並んで、メキシコのアガベ、東南アジアのココナツシュガーなど、食品会社は目新しい天然甘味料の発掘・販売に余念がありません。なんだか天然そうだし、健康なのかなと思いがちですが、アガベは実はほとんどが果糖で、合成ではないものの、成分的にいうとHigh Fructose Corn Syrup(高果糖糖液)と同じです。ところが、Glycemic Indexで見るとアガベのインデックスは15。血糖値を上げない優秀な甘味料のように扱われています。ちょっと話は逸れますが、ブドウ糖を100とした基準で様々な食べ物をインデックス化し、数値の低い食べ物を食べることを推奨するGlycemic Indexダイエット法をご存知でしょうか?ハーバード大医学部お墨付きのこのGlycemic Indexダイエット法は、インスリンを上昇させずに中性脂肪になる果糖の特徴が反映されておらず、近年、疑問視されています。はちみつ、メイプルシロップ、ココナツシュガーは、どれもブドウ糖と果糖の割合が半々程度。できるだけ未精製なものが良いでしょうが、おそらく、大差はないでしょう。

キシリトール、カラント、ステビア
砂糖も天然甘味料もそれほど大差はないということで、なんだがガッカリですが、そんな中、実はブドウ糖も果糖もほとんど含まれない天然甘味料は存在します。キシリトール、ステビア、そして最近注目されているラカントです。特に私のオススメはステビア。ステビアは砂糖ではなくハーブ。砂糖の200350倍の甘みを感じさせる成分が含まれています。Glycemic Index堂々のゼロ。さらに果糖も一切含まれていません。ただ、砂糖の甘みとはやはり違うので、ケーキやクッキーを作る際に砂糖を大幅に控えて、ステビアを活用しするといった使用法がお勧めです。うちでは、娘のポプシクル誕生日ケーキを作る際にステビアが大活躍。

というわけで、結論は、砂糖はどれもほぼ同じ。強いて言えば、生はちみつや良質のメープルシロップを少々頂く程度が良いでしょう。ケーキやクッキーを作る際は、ステビアやラカントなどを活用して砂糖を控えめにすると良いかと思います。試してみてね。


Dr 千賀子・ハーパー
自然医学(ナチュロパシー)を専門とするオレゴン州認定のファミリードクター。副作用をともなう製薬を極力さけ、身体にやさしい自然療法で心身ともに真の健康をめざす統合医療に取り組んでいます。糖尿病、心臓血管病、婦人病、神経痛、アトピー性皮膚炎、アレルギー、自律神経失調、ホルモンバランスなど、また定期検診、婦人科検診、栄養指導など、日本語でお気軽にご相談ください。各種健康保険の適応あり。

☆講演やワークショップ、執筆の依頼も承っております。

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