Wednesday, November 12, 2014

「問題ある・なし」だけじゃない、血液検査のなかみ。数値をみれば未病を発見できる

血液検査の結果のレポートが届いたら、皆さんはどうされていますか?「問題ありません」と言われれば、特に気に留めず捨ててしまったり、どこにいったかもわからなくなっているかもしれませんね。私もかつて会社員で忙しい毎日を送っていた頃は、年一回の健康診断のマイクロバスがやってくると、ありがた迷惑(苦笑)。送られてきた結果もその辺にほったらかして、そのうちどこかへ消えてしまいました。

血液検査のレポートは、体内情報の宝庫

実は健康診断で行うごく一般的な簡単な血液検査で、ものすご〜く貴重な様々な体内の状況を知ることができます。なぜこれほど貴重な情報を医師は患者に説明しないのか。。。しぶしぶ健康診断を受けていた自分を棚に上げて、今となっては腹立たしい。例えば白血球数の正常値は、検査会社によって若干差はありますが3.8~10.8mcl。正常値がこれほど幅広いと3.8に近い人と10.8に近い人では同じ「正常」でも大差です。白血球は免疫部隊ですから、上限に近ければ近いほど体内で何か異変が起こっている可能性が高いのです。また過去の検査と比べて明らかに増加している場合も要注意ですね。血糖値も比較的正常値が広い検査です。正常値内であっても上限に近い人は、すでにインシュリン障害が起こっているといっても過言ではないでしょう。何だかいつも甘い物が食べたくなる、すぐにお腹が空くなどといった症状がある人は可能性大です。また、実際の血糖値は高いのに採血前の食事制限で血糖値が大きく低下する”隠れ高血糖”の人もいます。空腹時の血糖値だけみて「問題なし」の太鼓判を押されて安心していると大変です。血糖値は空腹時の数値だけでなく、過去3ヶ月の平均値HA1cと両方の数値を比較して判断する必要があります。血液検査は結果の詳しい説明こそが大事なのに、郵送で送られてくるレポートの内容はABC評価と一行ほどのおまけ解説。。。ならまだましな方で、中には数値の記載もないレポートも多々。はっきり言って、これでは健康診断の費用と労力の無駄遣い。お持ちのレポートに数値の記載がない場合、今すぐに病院に連絡して数値のレポートをもらうようにしましょう。

最低限やっておくべき検査
私のクリニックに健康診断に来てくださる患者さんには、特に症状がなくても最低限、以下の血液検査をお勧めしています。自分の正常値を知っておくことも大変重要だからです。

CBC with Diff = Complete Blood Count with Differential (血液一般と白血球分類)
CMP = Comprehensive Metabolic Panel with Fasting Glucose(肝・腎機能と空腹時の血糖値)
GGT(肝臓・胆嚢・胆官の健康をみる検査)
HA1c(過去3ヶ月の平均血糖値)
Lipid Panel (HDL, LDL, Triglyceride)(コレステロール総合だけでなく、悪玉LDL、善玉HDL、中性脂肪の各数値)
CRP high sensitivity(より精度の高い炎症マーカー)
Ferritin(貯蔵鉄)女性は貧血防止に。男性の場合は炎症マーカーとして
25 Hydroxy vitamin D(血中のビタミンD値)
TSH(過去に一度も検査されていない方は甲状腺機能の検査)
*上記の検査の他に個人別に必要な検査を追加します。

CBC with diff でみる自分の健康度
アメリカの場合、検査費用は保険を通した場合と自費でキャッシュで支払う場合とでは大きな差があり、キャッシュだと上記リストのようなごく一般的な検査は実はそれほど高額ではありません。検査会社によって違いますが、各種$10〜40程度でできます。例えばCBC with diffは白血球と赤血球の健康度を分析する、ごくごく一般的な検査。白血球(WBC)には様々な種類があるので、総数だけでなく白血球分類(with differential)を追加しても$15〜20程度の費用でできます。この安価な検査で自分の体内の多くの貴重な情報を得ることができるのです。例えば白血球の総数が上限に近い場合は、白血球分類を見てどの白血球が多いのかを確認します。好中球(Neutrophil)が多い場合は菌感染か、何らかの原因で身体が炎症性になっています。血圧や血糖値、コレステロール値が高い場合や、タバコやアルコールの摂取、またストレス過多でも上昇します。リンパ球(Lymphocyte)はウイルス感染やがん、好酸球(Eosinophil)と好塩基球(basophil)は寄生虫、アレルギー、カビ感染などで増加します。白血球はお巡りさんのような役割をしているわけですから、どちらかといえば下限に近い方が体内の”治安”がよいということになります。赤血球数(RBC)やヘモグロビンが下限に近い場合は、MCV(赤血球のサイズ)とMCHC(色)を確認し、これらの数値が低い場合は鉄分不足、逆にMCVが高い人はビタミンB不足の可能性が考えられます。RDWは赤血球のサイズのばらつきをみる数値。高い場合の最も一般的な原因は鉄分やビタミンB不足、また身体に炎症があると体内にフリーラジカルが多く発生し赤血球を傷つけるため、赤血球のライフサイクルが短くなっている可能性もあります。毎月の月経で血液を失う女性は特にFerritin(貯蔵鉄)の検査をお勧めしています。身体は上手く出来ていて血中の栄養素を一定に保つよう管理されているので、血中の鉄分(serum iron=血清鉄)では貧血の早期発見ができません。お財布のお金が血中の鉄分、銀行のお金が貯蔵鉄と考えれば解りやすいかと思います。血中の鉄が不足して銀行にいってもないと貧血になるわけです。CBCで赤血球数やヘモグロビンの低下が現れたら時は既に遅し。そうならないためにFerritinを調べ、必要に応じて鉄分を補給すれば貧血を未然に防ぐことができるのです。

病気は突然発症するものではないのです。血液検査もある日突然、正常値を超えるものではありません。私たちの身体には自己治癒のメカニズムが備わっています。毎日の無理がたたって健康のバランスを崩し始めると、そのバランスをなんとか保とうと体内で葛藤が始まります。これが未病です。明らかな自覚症状が出るまでに、また検査で異常が発見されるまでに、血液検査の数値の微妙な異変をキャッチすれば、病気を未然に防ぐことができます。健康診断の結果は「異常あり・なし」ではないのです。数値のレポートを時系列で比較して分析してみてください。自分の健康がどちらに向かっているのか、確認できます。
(夕焼け新聞2014年11月掲載記事より)

☆お持ちの血液検査の結果を分析します。電話・メール・スカイプでの医療相談をご利用ください。詳しくは、www.DrChikakoHarper.com まで。電話・メール・スカイプでの医療相談サービスは、通常の診療とは異なります。かかりつけの医師に通院されている方で、セカンドオピニオンを希望される方、自然療法を取り入れたい方、あるいは現在、Dr. Chikako Harperに通院頂いている方が対象です。ご了承ください。


千賀子・ハーパー(西脇)
自然医学(ナチュロパシー)を専門とするオレゴン州認定のファミリードクター。副作用をともなう製薬を極力さけ、身体にやさしい自然療法で自己治癒を促進し、心身ともに真の健康をめざす統合医療に取り組んでいます。糖尿病、心臓血管病、婦人病、神経痛、アトピー性皮膚炎、アレルギー、自律神経失調、ホルモンバランスなど、また定期検診や栄養指導など、日本語でお気軽にご相談ください。各種健康保険の適応あり。

☆講演やワークショップの依頼も承っております。

ph: 503.477.0472 (直通)
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タグ:健康診断、自然療法、自然医学、ナチュロパシー、血液検査、メタボ、

Monday, September 15, 2014

子供が高熱!焦ってついやってしまう余計なこと


さち(←目に入れても痛くない愛娘)が39度を超える高熱を出しました! 親はこういう時、本当につらいですよね。何かしてあげたいと気持ちだけがあせってしまいますが、実際、できることって本当に限られていて、あわてて何かするほうが逆効果だったりするのです。例えば。。。

1. 医者に連れて行く
医者の私が言うのも変ですが、子供の熱はウイルス性の風邪が原因であることがほとんどで、そうすると、現代の西洋医学的にはできることはほとんどないのが現状。症状を聞いて、顔色を診て、心肺の音を聞いて、お腹を触診して、「風邪ですから、水分補給して安静に」と言われるくらい。。。ならまだいい方で、解熱剤や抗生物質、症状を抑える風邪薬など処方されたら、それは全く余計なこと。確かに医学の知識がないと判断が難しいので、医者に診てもらうと安心しますよね。でも、病院に連れて行くことでさらに体力を消耗させ、込み合った待合室でまた別の病原菌やウイルスにさらされる危険もあるのです。

2. 抗生物質 Antibiotics
抗生物質は菌を退治する薬であって、ウイルスには何の効果もないことは一般にもよく知られるようになってきました。それでも驚くことに、未だに処方する医師がいたりするので要注意です。子供の発熱の原因は、ウイルス感染によるものがほとんど。ウイルスには何の効果もない抗生物質など飲ませたら、身体を保護している常在菌を殺してしまい、カビ感染や腸炎など新たな病気を引き起こしかねません。風邪が悪化し肺炎に進行したなどという緊急事態を除けば、抗生物質の出る幕はないのです。

3. 解熱剤 Tylenol, Ibuprofen, Aspirin
発熱は免疫反応であって病気ではありません。発熱は実は侵入してきた外敵を撃墜する大切な免疫戦略のひとつ。体温が低いとウイルスや菌が有利になり、逆に体温が高いと自己免疫が有利になるという自然の特徴があるのです。白血球が外敵を発見し攻撃を開始すると、同時に脳に連携し、脳から体全体に体温を上げるよう指令が下されます。皮膚表面の毛細血管が縮小し、汗腺が閉じて熱の放散を防ぎ、同時に筋肉を震えさせることで発熱を促します。あの風邪のひき始めの「ブルブル寒気」は免疫出動の合図だった訳です。

4. 風邪の予防接種
季節性の風邪ウイルスは猛烈な勢いで変異を繰り返します。予防接種の製造と販売には最低でも6ヶ月を要すると言われています。どの風邪ウイルスが流行るかもわからない6ヶ月前にウイルスを特定して培養を始め、6ヶ月後に店頭に届く。その間も風邪ウイルスは変異を繰り返している訳ですから、風邪予防接種の効果がどれほどのものか想像できるかと思います。詳しくは、病気予防のセクションの「インフルエンザの予防接種は万能か?をお読みください。

では、高熱の我が子を前に全くなす術はないのか?間接的に応援することはできます。

1. 愛情をたっぷり注いで安心させてあげる。不安になると身体が交感神経モードになり、免疫機能が低下します。

2. 氷枕で頭を冷やしてあげる。体全体の熱を下げずに、頭の熱を下げる。それだけでも身体が楽になります。

3. ぬれソックスで足を冷やしてあげる。寝ている状態の時に、冷たい水でしっかり絞った木綿のソックスの上にウールなどの厚手ソックスを履かせます。足の冷えを温めようとして血流が頭から足に向かう身体のメカニズムを利用して頭の熱を下げるのです。朝起きた時にはぬれソックスはカラカラに乾いていますよ。

4. 水分を充分に補給する。発熱して免疫活動が活発になると脱水します。充分に水分を与えてあげましょう。

5. ハチミツ入りレモンの絞り汁(1歳未満はハチミツ不可)。免疫活動には、主にビタミンC、A、亜鉛が必要とされます。サプリメントの服用が難しい幼児には、ハチミツとレモン汁のお湯割りがおすすめ。

6. 甘いお菓子など砂糖を控える。新鮮なフルーツをそのままで食べるのは大賛成です。免疫を応援してくれるビタミンやミネラルが多く含まれています。けれども、ただ甘いだけの菓子類は血糖値を上げ、ウイルスや菌の活動を助長してしまいます。

7. Echinacea、Osha、Sambucus、Goldensealなどのハーブ薬は症状にあった免疫活動を促進してくれます。試してみるのもよいかもしれません。ただ、幼児には難しいかな。

うちの娘さちの場合、7はダメでしたが1〜6すべて実行。4日目に見事にウイルスを撃墜して回復しました。

こうして考えて行くと、免疫も、勉強やスポーツに似ていると思いませんか? 学んでほしい上手になってほしいといくら親が切望しても、本人自身が努力して身につけるしか方法はない。苦労して自分で達成して初めて自分の実力になる。免疫も全く同じです。自分で乗り越えれば、身体にしっかりと抗体が出来る。風邪をひく、乗り越える。。。を繰り返しながら、子供の免疫はメキメキと強くなっていくのです。

(夕焼け新聞2014年9月号掲載記事より)

千賀子・ハーパー(西脇)
自然医学(ナチュロパシー)を専門とするオレゴン州認定のファミリードクター。副作用をともなう製薬を極力さけ、身体にやさしい自然療法で自己治癒を促進し、心身ともに真の健康をめざす統合医療に取り組んでいます。糖尿病、心臓血管病、婦人病、神経痛、アトピー性皮膚炎、アレルギー、自律神経失調、ホルモンバランスなど、また定期検診や栄養指導など、日本語でお気軽にご相談ください。健康保険の適応あり。

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タグ:子育て、発熱、自然療法、自然医学、ナチュロパシー、予防接種、ワクチン

Monday, September 1, 2014

インフルエンザの予防接種は万能か?

秋の気配とともにざわめき始めるFlu Shot(風邪インフルエンザ予防接種)の宣伝。すっかり風邪の季節の定番となりました。アメリカでは病院に行かなくても薬局で簡単に受けられるようになったため、街のあちこちで「予防接種、今なら30%オフ!」なんていう看板を目にします。こんな宣伝文句を見れば「あら、お得なうちに予防接種しちゃいましょう」と、まるでスーパーでお買い物するような気軽な感覚になりますが、皆さん、予防接種には副作用が伴うのをご存知ですか?運が悪ければ、脳や脊髄、神経系統に障害が残る事だってあるということを認識した上で、よく考えて決断してほしいと願います。

予防接種のしくみ
そもそも、予防接種とは何でしょう?人間の身体には、菌やウィルスなどの病原体が体内に侵入すると、抗体と呼ばれる免疫物質を作り病原体を攻撃する免疫システムが備わっています。この免疫システムは非常に上手く出来ていて、一度侵入した病原体は体内の免疫細胞によって記憶されるので、再侵入の際には抗体が効率よく働き感染を未然に防いでくれます。予防接種とは、感染症の原因である菌やウィルスから作った製剤を注入して、人工的に体内に抗体を作らせ、免疫細胞に記録させて、病原体の感染を未然に防ごうというもの。この方法により天然痘やポリオなどの感染は世界的に激減しました。

風邪インフルエンザの予防接種は、効かない?
毎年、期待ほどの効果がなく、年々、疑問の声が高まりつつある風邪インフルエンザの予防接種。その理由は主に二つあります。まず、インフルエンザの血清型が非常に多く、どのウィルスが猛威を振るうか予想がつきにくいこと。悪性で感染力が強いインフルエンザAは、現在確認されているだけでも144型存在します。そして鶏の卵を使って培養するワクチンの生産・流通には少なくとも6ヶ月を必要とします。つまり、インフルエンザが流行る6ヶ月も前に、多数ある血清型の中からどのウィルスが猛威を振るうか予想を立てて生産を見切り発車するわけで、予想が的中しなければ予防接種は効きません。もうひとつの理由はウィルスの持つ変異能力です。病原体には変異して免疫の反撃をかわす能力があります。生物の体内に侵入して変異を繰り返し、体内の免疫の攻撃を巧みに回避して繁殖するのです。実はインフルエンザのウィルスは変異スピードが特に早いのです。つまり、生産・流通に6ヶ月かけている間にインフルエンザ・ウィルスはとっくに変異済み。変貌したウィルスに予防接種はほとんど効き目はありません。

予防接種の効果は持続しない?
予防接種の製造には一般的にウィルスそのものを使う生ワクチンと、培養したウィルスを死滅させてそのタンパク質を使う不活性ワクチンとが存在します。自然感染に近いほど強い免疫反応を誘因できるので、生ワクチンの方がより効果的ですが、生ワクチンの場合、実際に病原体に感染してしまう危険も伴うため、現在、最も一般的に使われているのは注射で摂取する不活性ワクチンです。ところが、より安全な不活性ワクチンではインフルエンザに対抗できる免疫力が充分に誘導できないと指摘する専門家もいます。というのも、注射による不活性ワクチンは血中に存在する抗体IgGは誘因できても、粘膜に存在するIgAを誘因することができません。鼻や喉、気管の粘膜から侵入するインフルエンザ・ウィルスを未然に防ぐためには、粘膜抗体のIgAが必須なのです。また、自然感染によって得た免疫は何十年、上手く行けば一生持続することもありますが、不活性ワクチンで人工的に誘導した免疫は、長くても6ヶ月、やもすると3ヶ月ほどで消滅するとも言われています。

99%は、ただの風邪
かつて、メキシコで発生した新種H1N1インフルエンザにアメリカ全土が震撼し、オバマ大統領が「国家緊急事態」宣言を出し、国を挙げてインフルエンザ予防接種を推進したことがありました。ところが、ふたを開けてみたら猛威どころが普通の季節性インフルエンザ(つまり風邪)程度の勢力しか持ち合わせておらず、予防接種を受けても受けなくても罹患者の99%は、微熱、悪寒、喉の痛み、咳、節々の痛みなどといった「よくある風邪の症状」を発症した後、一週間程度で回復していきました。「新型インフルエンザによる死者が1000人を超えた」などといったメディアの発表も、後の調査で内90%はインフルエンザが死因ではなかったことが明らかになりました。インフルエンザも健康であれば自分の免疫力で充分に感染を防ぐことができるのです。

恐るべし、予防接種の副作用
予防接種には副作用が伴います。極端な例は、予防摂取で身体が異常な免疫反応を起し、脳と脊髄が炎症して重度の神経障害が残る急性散在性脳骨髄炎です。保存剤として使われているチメロサールに含まれる水銀は神経細胞に蓄積して神経機能を破壊し、自閉症や、末端の運動神経が麻痺するギランバレー症候群などの神経障害を引き起こすとされています。予防接種の効能補助剤(アジュバンド)として使われるアルミニウムはアルツハイマー症との関連性が高い重金属です。その他にも培養したウィルスを不活性化するためにホルマリンが使われたりと予防接種には様々な毒性の化学物質が含まれています。また、ウィルスの培養に卵が使われるため、卵アレルギーの人はアレルギー反応を起こす可能性もあり、さらには予防接種で新たに卵アレルギーを発症する可能性もあります。

予防接種は、他力本願?
予防接種には深刻な副作用が伴う事は周知の事実です。けれども西洋医学は「リスク対効果比」つまり危険を上回る効果が期待できれば正しい治療とする考え方です。その考え方を基本とする公衆衛生の目的は「少々の犠牲を払っても大衆を予防」することなのです。リスクを負って不活性ワクチンの予防接種を受けても、その効果はたかが3〜6ヶ月。しかも過去の例から見るとH1N1インフルエンザでさえ、99%の人は自己免疫が働き、ただの風邪程度の症状で回復しています。ならば、予防接種などという他力本願に頼るより、この際、自分の身体に備わった免疫を活用した方がよっぽどメリットがあるのではないか。自己免疫も脳や筋肉と同じ。使わず鍛えずしていると衰えてしまいます。風邪インフルエンザの予防接種を受けるか受けまいか、最終的には個人の判断ですが、ただ、確実に言えることは、受けても受けなくても、日頃から健康的な食事、充分な睡眠、適度な運動を心がけて自己免疫を養うことが一番の風邪予防となるのです。
(からだ再教育通信、2009年12月号掲載記事の改訂版)

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千賀子・ハーパー(西脇)
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Friday, July 11, 2014

夏こそ、余分な脂肪を削ぎ落とそう!

待ちに待った夏の到来!服装が薄着になるにつれ、お腹回りなどの余分な脂肪が気になり始めていませんか?夏こそ、運動していい汗をかいて、冬の間に知らず知らずに溜め込んでしまった脂肪を燃焼する絶好のチャンスです。と書いている私もちょっと気になっています。雨が降り始める10月までに、いっしょに脂肪を削ぎ落としましょう!

ポイント1> 目標を設定しましょう。
どういう目標を設定すると効果的か、個人個人で違いますよね。「何キロやせる」とう具体的な数値化が有効的な人もいれば、「こんな風になりたい」というイメージ写真を冷蔵庫に貼っておくのが継続的なモチベーションにつながる人もいます。かつてベスト体重だった頃の履けなくなったズボンを目標にするのもいいですね。ただ目標はあくまでも現実的なものにしましょう。

ポイント2> 毎日の生活に運動を組み込みましょう。
何もスポーツジムに通ったりする必要はありません。ジムで運動するのが自分に合っている人はいいですが、ジムに行くことが億劫な人はNG。いつも車で行くところを徒歩にしてみたり、犬の散歩の距離を2倍にしてみたり、ぶらぶら歩きをパワーウォーキングにしてみたり。テレビを見ながら大手をふって足踏みするのだってバカにはできませんよ。今までよりもう一段くらい運動量を増やして、毎日継続する事がポイントです。いい汗をかいたら間違いなく脂肪は燃焼しています。

ポイント3>
食事に気をつけましょう。一昔前はカロリーの高い油や脂肪が肥満の原因になると考えられていました。ところが、”低脂肪”とうたった加工食品には大きな落とし穴がありました。食べ過ぎて太るのは実は炭水化物、そして究極の炭水化物が砂糖だからです。低脂肪だから痩せるかと期待していたら加工食品の隠れ”砂糖”でアメリカ国民はさらに肥満になってしまいました。昨今の食産業は消費者の健康など二の次なのが本音。甘いと消費者が病みつきになり商品が売れるから、今やほとんどの加工食品に砂糖、またはHigh Fructose Corn SyrupやDextroseなど化学合成した糖分が加えられています。身体に溜めてしまった脂肪を燃焼したいなら、外食や加工食品は極力さけること。白いご飯や麺、パンなど精製された炭水化物も喉を過ぎれば砂糖とほぼ同じ。口にしない事です。夏は野菜やフルーツが美味しい季節。素材そのものをそのままで食べるか、あるいはオリーブオイルと塩&胡椒でグリルするだけで素材そのものの甘みで美味しくいただけます。魚や鶏肉などの良質のタンパク質は血糖値の安定を助けるので積極的に食べるようにしましょう。食事は常に腹七〜八分目。ちょっと小腹がすいたくらいの感覚を保って、蓄積されてしまった脂肪の燃焼を促しましょう。さあ夏です。Enjoy healthy summer!



<お知らせ>
「目から鱗!身体の知恵としくみクイズ」7月26日(土)夏祭りin 宇和島屋に参加します。クイズ正解者の方には抽選でヘルシー賞品をご用意しております。

千賀子・ハーパー(西脇)
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Thursday, May 29, 2014

絶対に口にしてはいけないシリーズ・続編 ~養殖サーモンは白かった。

Farm raised (養殖)のサケには着色料が入っているのにお気づきの方は多いかと思います。「身が赤い方が売れるからだろう」と軽く考えていたある日、あれほどオーガニックだ!と声高にうたっているWhole Foodsでさえ、Sustainableな環境で育てられた養殖サケに、やっぱり”天然”の着色料が添加されていることに気づきました。Whole Foodsにわざわざ買い物に来る人たちが、着色料を加えてまで赤くしたサーモンを欲しがるだろうか?ふとした疑問から調べてみたらびっくり。養殖サーモンの身はピンクが薄いのかと思いきや、ピンクどころか灰色がかった白。そりゃ〜着色しないとサーモンには見えない訳です。

養殖サーモンの裏事情

ご存知のように天然サケには母川回帰の生態性があります。川上で卵から孵りある程度に育つと、より豊富な餌を求めて降海し、魚種によっては遠く北洋までも回遊してえびやオキアミなどの甲殻類を食べて成長します。その甲殻類に含まれるアスタキサンチンという成分があの象徴的なサーモンピンクを作るのです。雑魚から作られた人工餌で養殖されたサーモンの身が赤くなるわけもなく。そこで、アスタキサンチンまたはカンタキサンチンといった成分を飼料に混ぜて身を赤くさせ、サーモンらしく体裁を整えているわけです。アスタキサンチンやカンタキサンチンをさらに調べると「自然界に存在する成分なので安心」という説明を多く目にします。雑魚から作った飼料で低コストに抑えながら、甲殻類から抽出した天然のアスタキサンチンを使っているとは考えにくいので、たぶん化学合成でしょう。

農薬、抗生物質、天然サーモンを脅かす生態系の破壊

では、灰色養殖サーモンはどんな環境で養殖されているのでしょう。カナダの非営利団体CAAR (the Coastal Alliance for Aquaculture Reform)によると、ほとんどがOpen net cageと呼ばれる方法で養殖されているそうです。アメリカンフットボール球場2つほどの広さのネットを湾岸に張り、100万匹ものサーモンを卵から成魚に養殖するため、寄生虫や病気が発生して抗生物質や農薬を多用しているのだそうです。アメフト球場のサイズを調べて換算してみると、110メートルx50メートル四方に50万匹、ということは1メートルx50センチ四方に5000匹。。。オープンネットのため、ネット内で発生した寄生虫やウイルス、病原菌、使用している農薬や抗生物質はそのまま海に垂れ流しとなり海洋の汚染が深刻化し、その汚染が回帰してくる天然サーモンの、また川上で卵から孵って海洋を目指し降海する未熟なサーモンの生命を奪っているのだそうです。イギリスのGreenTV制作「サーモン養殖の裏側に迫る」を見ると汚染は地域の住民にまで及んでいるのが垣間みれます。
遺伝子組み換え、Fructose corn syrup(高果糖液糖)、MSG(化学調味料)、成長ホルモンと抗生物質まみれの肉。。。絶対に食べてはいけない食べ物は増えていくばかり。甘いと売れるー>砂糖は高いー>安価なFCSで代用。サーモンは売れるー>化学薬品を多用して安価に養殖ー>赤く着色。せっかくの企業の資源と努力が消費者を欺くことに費やされている。憤りを感ぜずにはいられません。食産業よ、正しい情報を開示せよ!私たち消費者は、健康を犠牲にして環境を破壊してまで、赤く着色した養殖サーモンを食べたいと思っていないのだ!正しい情報をもとに双方協力し、環境と身体によいSustainableな食を目指そうではありませんか!
(夕焼け新聞2014年5月掲載記事より)
お問い合わせは、info@DrChikakoHarper.com あるいは(米国+1) 503.477.0472まで

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Saturday, March 1, 2014

絶対に口にしてはいけない、遺伝子組み換え

 砂糖がどれほど身体の健康を蝕むか、そして、今やあらゆる食品に様々な名前で含まれているため、誰もが知らず知らずに摂取過多に陥り、健康な人でも糖尿病予備軍の仲間入りしてしまう今日であることを何度か解説していますが、もう一つ、絶対に口にしてはいけない、けれどもあらゆる食品に様々な形で混入しているため、知らず知らずに食べてしまっているのが、遺伝子組み換え食品です。

遺伝子組み換えって何?

そもそも遺伝子組み換え作物って何でしょう?大昔から行われている交配に交配を重ねておいしい米やリンゴの品種を作り出す手法とは次元が違います。交配の手法なら、違品種のリンゴ同士を交配させて新種を作りますが、遺伝子組み換えの場合は、全く別の生物の遺伝子を農作物の遺伝子に組み込むのです。具体的にいうと、害虫に強いリンゴを作るために、害虫に強い菌の遺伝子をリンゴの遺伝子に組み込む、つまり、菌とリンゴが合体した「リンゴの姿をした新たな生物」が地球上に誕生するのです。害虫に強いから農薬がいらないというメリットがあるかというと、それにはさらに裏があり、多くの遺伝子組み換え作物は、特定の除草剤や農薬に耐えうるように開発されていて、結局は大量の除草剤や農薬が必要になります。一部の企業が所有する特許付きの遺伝子組み換え種と除草剤がセットで販売され、種に特許がついているので、農家は毎年、特許使用料を支払い、種の耐性にあった除草剤の購入を余儀なくされます。遺伝子組み換え作物を食することによる健康上の問題はもちろんのこと、それだけにおさまらず、自然界の秩序が一部の企業によって破壊されて行き、私たちの生命の基盤である食物が一部の企業に独占されて行くのです。遺伝子組み換え作物は暗黒の罠。絶対に買っては行けない、食べては行けない禁断の作物なのです。

加工食品の多くに遺伝子組み換えが。

最も市場に出回っている遺伝子組み換え作物は大豆とトウモロコシです。「遺伝子組み換えでない」豆腐や納豆を買ってるから大丈夫と安心していたら大変です。豆腐や納豆は、大豆食品のほんの氷山の一角に過ぎません。加工食品のありとあらゆる物に大豆、大豆油が含まれています。醤油も大豆ですから、醤油で味付けされた加工食品は要注意です。クッキーやパン、ツナ缶などにも大豆油(soybean oil)が多く使われています。同様にトウモロコシもありとあらゆるものに含まれています。コーンチップはもちろんのこと、砂糖の代用品として安価なコーンシロップが多くの加工食品に使われているのです。

こうして突き詰めて行くと、加工食品は極力買わないようにすること。豆腐や醤油などは、多少高くてもオーガニックのものを選び、野菜、果物、魚など素材そのものを買って、自分で調理するのが一番安心と言えます。
(夕焼け新聞2014年3月掲載記事より)

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