Monday, September 1, 2014

インフルエンザの予防接種は万能か?

秋の気配とともにざわめき始めるFlu Shot(風邪インフルエンザ予防接種)の宣伝。すっかり風邪の季節の定番となりました。アメリカでは病院に行かなくても薬局で簡単に受けられるようになったため、街のあちこちで「予防接種、今なら30%オフ!」なんていう看板を目にします。こんな宣伝文句を見れば「あら、お得なうちに予防接種しちゃいましょう」と、まるでスーパーでお買い物するような気軽な感覚になりますが、皆さん、予防接種には副作用が伴うのをご存知ですか?運が悪ければ、脳や脊髄、神経系統に障害が残る事だってあるということを認識した上で、よく考えて決断してほしいと願います。

予防接種のしくみ
そもそも、予防接種とは何でしょう?人間の身体には、菌やウィルスなどの病原体が体内に侵入すると、抗体と呼ばれる免疫物質を作り病原体を攻撃する免疫システムが備わっています。この免疫システムは非常に上手く出来ていて、一度侵入した病原体は体内の免疫細胞によって記憶されるので、再侵入の際には抗体が効率よく働き感染を未然に防いでくれます。予防接種とは、感染症の原因である菌やウィルスから作った製剤を注入して、人工的に体内に抗体を作らせ、免疫細胞に記録させて、病原体の感染を未然に防ごうというもの。この方法により天然痘やポリオなどの感染は世界的に激減しました。

風邪インフルエンザの予防接種は、効かない?
毎年、期待ほどの効果がなく、年々、疑問の声が高まりつつある風邪インフルエンザの予防接種。その理由は主に二つあります。まず、インフルエンザの血清型が非常に多く、どのウィルスが猛威を振るうか予想がつきにくいこと。悪性で感染力が強いインフルエンザAは、現在確認されているだけでも144型存在します。そして鶏の卵を使って培養するワクチンの生産・流通には少なくとも6ヶ月を必要とします。つまり、インフルエンザが流行る6ヶ月も前に、多数ある血清型の中からどのウィルスが猛威を振るうか予想を立てて生産を見切り発車するわけで、予想が的中しなければ予防接種は効きません。もうひとつの理由はウィルスの持つ変異能力です。病原体には変異して免疫の反撃をかわす能力があります。生物の体内に侵入して変異を繰り返し、体内の免疫の攻撃を巧みに回避して繁殖するのです。実はインフルエンザのウィルスは変異スピードが特に早いのです。つまり、生産・流通に6ヶ月かけている間にインフルエンザ・ウィルスはとっくに変異済み。変貌したウィルスに予防接種はほとんど効き目はありません。

予防接種の効果は持続しない?
予防接種の製造には一般的にウィルスそのものを使う生ワクチンと、培養したウィルスを死滅させてそのタンパク質を使う不活性ワクチンとが存在します。自然感染に近いほど強い免疫反応を誘因できるので、生ワクチンの方がより効果的ですが、生ワクチンの場合、実際に病原体に感染してしまう危険も伴うため、現在、最も一般的に使われているのは注射で摂取する不活性ワクチンです。ところが、より安全な不活性ワクチンではインフルエンザに対抗できる免疫力が充分に誘導できないと指摘する専門家もいます。というのも、注射による不活性ワクチンは血中に存在する抗体IgGは誘因できても、粘膜に存在するIgAを誘因することができません。鼻や喉、気管の粘膜から侵入するインフルエンザ・ウィルスを未然に防ぐためには、粘膜抗体のIgAが必須なのです。また、自然感染によって得た免疫は何十年、上手く行けば一生持続することもありますが、不活性ワクチンで人工的に誘導した免疫は、長くても6ヶ月、やもすると3ヶ月ほどで消滅するとも言われています。

99%は、ただの風邪
かつて、メキシコで発生した新種H1N1インフルエンザにアメリカ全土が震撼し、オバマ大統領が「国家緊急事態」宣言を出し、国を挙げてインフルエンザ予防接種を推進したことがありました。ところが、ふたを開けてみたら猛威どころが普通の季節性インフルエンザ(つまり風邪)程度の勢力しか持ち合わせておらず、予防接種を受けても受けなくても罹患者の99%は、微熱、悪寒、喉の痛み、咳、節々の痛みなどといった「よくある風邪の症状」を発症した後、一週間程度で回復していきました。「新型インフルエンザによる死者が1000人を超えた」などといったメディアの発表も、後の調査で内90%はインフルエンザが死因ではなかったことが明らかになりました。インフルエンザも健康であれば自分の免疫力で充分に感染を防ぐことができるのです。

恐るべし、予防接種の副作用
予防接種には副作用が伴います。極端な例は、予防摂取で身体が異常な免疫反応を起し、脳と脊髄が炎症して重度の神経障害が残る急性散在性脳骨髄炎です。保存剤として使われているチメロサールに含まれる水銀は神経細胞に蓄積して神経機能を破壊し、自閉症や、末端の運動神経が麻痺するギランバレー症候群などの神経障害を引き起こすとされています。予防接種の効能補助剤(アジュバンド)として使われるアルミニウムはアルツハイマー症との関連性が高い重金属です。その他にも培養したウィルスを不活性化するためにホルマリンが使われたりと予防接種には様々な毒性の化学物質が含まれています。また、ウィルスの培養に卵が使われるため、卵アレルギーの人はアレルギー反応を起こす可能性もあり、さらには予防接種で新たに卵アレルギーを発症する可能性もあります。

予防接種は、他力本願?
予防接種には深刻な副作用が伴う事は周知の事実です。けれども西洋医学は「リスク対効果比」つまり危険を上回る効果が期待できれば正しい治療とする考え方です。その考え方を基本とする公衆衛生の目的は「少々の犠牲を払っても大衆を予防」することなのです。リスクを負って不活性ワクチンの予防接種を受けても、その効果はたかが3〜6ヶ月。しかも過去の例から見るとH1N1インフルエンザでさえ、99%の人は自己免疫が働き、ただの風邪程度の症状で回復しています。ならば、予防接種などという他力本願に頼るより、この際、自分の身体に備わった免疫を活用した方がよっぽどメリットがあるのではないか。自己免疫も脳や筋肉と同じ。使わず鍛えずしていると衰えてしまいます。風邪インフルエンザの予防接種を受けるか受けまいか、最終的には個人の判断ですが、ただ、確実に言えることは、受けても受けなくても、日頃から健康的な食事、充分な睡眠、適度な運動を心がけて自己免疫を養うことが一番の風邪予防となるのです。
(からだ再教育通信、2009年12月号掲載記事の改訂版)

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千賀子・ハーパー(西脇)
自然医学(ナチュロパシー)を専門とするオレゴン州認定のファミリードクター。副作用をともなう製薬を極力さけ、身体にやさしい自然療法で自己治癒を促進し、心身ともに真の健康をめざす統合医療に取り組んでいます。糖尿病、心臓血管病、婦人病、神経痛、アトピー性皮膚炎、アレルギー、自律神経失調、ホルモンバランスなど、また定期検診や栄養指導など、日本語でお気軽にご相談ください。健康保険の適応あり。

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タグ:風邪、予防、子育て、発熱、自然療法、自然医学、ナチュロパシー、予防接種、ワクチン



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