Thursday, August 1, 2013

まだらになる美白化粧品

美白化粧品で肌がまだらに白くなる被害が続出し、開発したメーカーが自主回収に踏み切ったという日本のニュースを目にしました。独自開発したロドデノールという成分に肌を白くする効果があるとして、厚生省から新規に認可を受け発売されたそうですが、美白になるはずの化粧品で、顔が白斑点状になったとは、恐ろしい話です。
その美白有効成分 ロドデノールなるものが、肌のメラニン色素の生成に必要な酵素チロシナーゼの働きを阻害し、メラニンを作る細胞メラノサイトがメラニンを作れないようにするのだという説明を読んで、さらに怖くなりました。

知れば知るほどこわい、美肌成分ロドデノール!

肌は紫外線を浴びると、紫外線のダメージで細胞のDNAが破壊されないように、メラノサイトという細胞がメラニン色素を作ります。つまり、肌を褐色にして紫外線を遮り細胞を保護するという体に備わった知恵。ジリジリと照りつける直射日光をさけてカーテンを閉めたり、帽子をかぶったり、サングラスをしたりするのと同様、肌自らが作用して自然の日焼け止めを作るのです。メラニンは、紫外線の50〜75%を吸収すると言われています。

ところが、この美白有効成分 ロドデノールは、肌の保護機能を妨害し、肌を無防備なまま太陽にさらすことを強要するわけです。細胞のDNAが破壊されれば、皮膚がんを発症しかねません。地球に到達する紫外線UVAとUVBのうち、直接的にDNAに吸収されるUVBが、皮膚がんの主な原因とされていますが、UVAもまた窓ガラスや日陰でも遮られることなく皮膚深層に浸透し、皮膚の弾力性を保つコラーゲンやエラスチンを破壊します。使い続けると白斑点になった挙げ句、シワシワにたるみ、皮膚がんになるかもしれない化粧品。開発したメーカーはあまりにも無責任です。

化粧品にたよらない健康美肌をめざそう。

肌の色を変えることは、残念ながら不可能ですが、化粧品に頼らなくてもハリのあるツヤツヤ肌をつくることは可能です。ツヤツヤの肌の潤いは実は皮膚表面の常在菌のバランスで保たれています。腸内の常在菌の重要性は広く知られるようになりましたが、皮膚表面の常在菌もまた肌の健康に欠かせない存在なのです。この常在菌たちが私たちの皮膚表面の皮脂や汗を食べて弱酸性の脂肪酸を排出します。それが皮膚の保護膜となっているのです。美肌を保ってくれるありがたい善玉菌を見方につけるためには、野菜と魚中心の食事、十分な睡眠、適度な運動で汗をかき、善玉菌のえさとなる良質の皮脂をつくること。また、常在菌が好む弱酸性のPhバランスを保つために、石けんやクレンジングなどで皮膚をゴシゴシ洗いすぎないことも大切です。
(夕焼け新聞2013年8月掲載記事より)


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千賀子・ハーパー
自然医学(ナチュロパシー)を専門とするオレゴン州認定のファミリードクター。副作用をともなう製薬を極力さけ、身体にやさしい自然療法で自己治癒を促進し、心身ともに真の健康をめざす統合医療に取り組んでいます。糖尿病、心臓血管病、婦人病、神経痛、アレルギー、自律神経失調、ホルモンバランスなど、また定期検診や栄養指導など、日本語でお気軽にご相談ください。健康保険の適応あり。

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