Monday, May 18, 2020

コロナウイルスの予防接種ができたら、受けますか?

いよいよ、規制緩和が始まりました。感染者数と死者数がもっぱらだったニュースも、徐々に規制緩和の方法論に移行し始め、ここ最近、熱く議論されているのが、予防接種と抗体検査です。さて、受けるべきか、受けないべきか?

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予防接種は、期待できるか?

世界中で、猛スピードで予防接種の開発が進められています。通常なら、数年はかかるはずの新型ウイルスの予防接種が、この秋の市場導入を目指しているというのだから、狂気の沙汰。すでに中国では、サルを使った臨床実験で効果が確認できたとか、もう2段回めの治験に入ったなどといったニュースも聞こえてきます。億万長者ビルゲイツ財団も、7種の予防接種の開発に出資しているとか。成功すれば、世界人口がお客さんになるんだから、製薬会社は躍起です。しかし、新しい予防接種の開発が、そう容易であるはずがないのも現実です。

予防接種で逆に悪化するADEという現象

実は過去に失敗した予防接種は数々あります。まず、古い記録では、幼児が感染するRSウイルス感染症。このRSV の予防接種後に、RSV ウイルスに自然感染した子供たちが、予防接種をしなかった子供たちに比べ、重症化しました。死者も出たため治験は中止となり、いまだにRSV の予防接種はできていません。もう一つの例は、デングー熱の予防接種, Dengvaxia®。フィリピンで大々的に行われた治験でしたが、過去にデングー熱に感染したことのない子供たちが予防接種を受けると、デングー熱に自然感染したときに重症化することがわかりました。10人の尊い子供の命が奪われ、現地でプロテストも起こりました。現在アメリカでは、デングー熱が流行る特定の地域に住んでいる916歳の子供で、過去にデングー熱にかかったことのある子供のみに限り、Dengvaxia®が許可されています。そして、一番新しいところでは、2002年に中国で流行ったSARSの予防接種で、またもや同じ現象が起きました。抗体依存性感染増加(ADE)と名付けれたこの現象が、予防接種開発の大きなハードルとなっています。予防接種の失敗例を見ると、1年足らずの超スピード完成した予防接種の安全性が心配です。一番乗りに予防接種を受けると、実験台になる可能性があるので、まずは様子を見ながら検討するのが賢明ではないでしょうか。

予防接種を急ぐ前に抗体検査を

予防接種の開発と同時に、各社が競って開発しているのが、抗体検査です。私たちの体に備わった自己免疫は、未知の病原菌と遭遇すると、抗体という免疫物質を作り、体に記憶します。新型のウイルスに感染すると、初回は撃墜するのに2週間ほどかかっても、2回目からは未然に感染を防げたり、軽度ですんでしまうのは、この抗体が効率よく病原菌を撃沈してくれるからなのです。現在、市場に出始めた抗体検査は、血中のIgGIgMという抗体の有無を調べます。IgMは感染した直後に作られ、短期間で消える抗体。一方、IgGは感染後しばらくして作られ、その後、ほぼ一生、体の中に残ります。予防接種の目的は、このIgG抗体を人工的に私たちの体に作らせ、特定の感染を予防しようというものなのです。(予防接種では、自然感染ほどの強い免疫を作れないので、何年かしてBooster Shotが必要になる場合もあります)ということは、あなたが、約80%の「新型コロナに感染しても軽症で終わった人」だったり、その何倍もいると思われる「接触しても感染しなかった人」だったら、すでにIgG抗体を持っている可能性があります。ならば、安全性が心配な予防接種を受ける前に、抗体検査を受けて、新型コロナに対するIgGの有無を調べるとよいのです。ちなみに、現在、感染者の特定に使われている検査は、PCR検査といって鼻の粘液にウイルスが存在するかどうかを調べます。今現在、新型コロナが疑われる症状がある場合は、PCR検査が必要です。IgM検査は、タイミングに個人差があるので、PCRの方がより正確でしょう。IgG検査は、感染後しばらくして血中に生成されるので、感染直後ではなく1ヶ月くらい待ってから検査を受けるのが良いでしょう。

抗体検査も、まだ発展途上

とはいえ、抗体検査もまだ発展途上で、各会社の検査の正確性にばらつきがあります。また、現在ある抗体検査は、陽性か陰性かの判断だけで、たとえ陽性であってもそれが十分な免疫と言えるかどうかの検証には至っていません。価格にも大きなばらつきがあります。IgMIgGがセットになっていることが多いですが、IgGのみで十分。大手検査会社Quest Diagnosisの検査が$55ですので、この辺りの価格が目安と考えると良いでしょう。保険適用されるかどうか、お持ちの保険会社にお問い合わせくださいね。検査をご希望の方は、当クリニックでも受け付けておりますので、info@DrChikakoHarper.com あるいは、直通電話 503.433.3144まで。

新型コロナウイルスの予防接種も抗体検査も、まだまだ発展途上。絶対安全でも、絶対正確でもありません。自分の置かれた環境、健康状態など、リスクとベネフィットを比較して、賢い選択をしてくださいね。そして、一番頼りになるのは自分の免疫であることを思い出し、「新型コロナに負けない、最強のカラダ作り」を読んで、自己免疫を強化しましょう。(夕焼け新聞4月号掲載記事)(写真:Pharmalive.com)

Dr 千賀子・ハーパー
自然医学(ナチュロパシー)を専門とするオレゴン州認定のファミリードクター。副作用をともなう製薬を極力さけ、身体にやさしい自然療法で心身ともに真の健康をめざす統合医療に取り組んでいます。糖尿病、心臓血管病、婦人病、神経痛、アトピー性皮膚炎、アレルギー、自律神経失調、ホルモンバランスなど、また定期検診、婦人科検診、栄養指導など、日本語でお気軽にご相談ください。各種健康保険の適応あり。

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Saturday, May 9, 2020

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