Monday, September 15, 2014

子供が高熱!焦ってついやってしまう余計なこと


さち(←目に入れても痛くない愛娘)が39度を超える高熱を出しました! 親はこういう時、本当につらいですよね。何かしてあげたいと気持ちだけがあせってしまいますが、実際、できることって本当に限られていて、あわてて何かするほうが逆効果だったりするのです。例えば。。。

1. 医者に連れて行く
医者の私が言うのも変ですが、子供の熱はウイルス性の風邪が原因であることがほとんどで、そうすると、現代の西洋医学的にはできることはほとんどないのが現状。症状を聞いて、顔色を診て、心肺の音を聞いて、お腹を触診して、「風邪ですから、水分補給して安静に」と言われるくらい。。。ならまだいい方で、解熱剤や抗生物質、症状を抑える風邪薬など処方されたら、それは全く余計なこと。確かに医学の知識がないと判断が難しいので、医者に診てもらうと安心しますよね。でも、病院に連れて行くことでさらに体力を消耗させ、込み合った待合室でまた別の病原菌やウイルスにさらされる危険もあるのです。

2. 抗生物質 Antibiotics
抗生物質は菌を退治する薬であって、ウイルスには何の効果もないことは一般にもよく知られるようになってきました。それでも驚くことに、未だに処方する医師がいたりするので要注意です。子供の発熱の原因は、ウイルス感染によるものがほとんど。ウイルスには何の効果もない抗生物質など飲ませたら、身体を保護している常在菌を殺してしまい、カビ感染や腸炎など新たな病気を引き起こしかねません。風邪が悪化し肺炎に進行したなどという緊急事態を除けば、抗生物質の出る幕はないのです。

3. 解熱剤 Tylenol, Ibuprofen, Aspirin
発熱は免疫反応であって病気ではありません。発熱は実は侵入してきた外敵を撃墜する大切な免疫戦略のひとつ。体温が低いとウイルスや菌が有利になり、逆に体温が高いと自己免疫が有利になるという自然の特徴があるのです。白血球が外敵を発見し攻撃を開始すると、同時に脳に連携し、脳から体全体に体温を上げるよう指令が下されます。皮膚表面の毛細血管が縮小し、汗腺が閉じて熱の放散を防ぎ、同時に筋肉を震えさせることで発熱を促します。あの風邪のひき始めの「ブルブル寒気」は免疫出動の合図だった訳です。

4. 風邪の予防接種
季節性の風邪ウイルスは猛烈な勢いで変異を繰り返します。予防接種の製造と販売には最低でも6ヶ月を要すると言われています。どの風邪ウイルスが流行るかもわからない6ヶ月前にウイルスを特定して培養を始め、6ヶ月後に店頭に届く。その間も風邪ウイルスは変異を繰り返している訳ですから、風邪予防接種の効果がどれほどのものか想像できるかと思います。詳しくは、病気予防のセクションの「インフルエンザの予防接種は万能か?をお読みください。

では、高熱の我が子を前に全くなす術はないのか?間接的に応援することはできます。

1. 愛情をたっぷり注いで安心させてあげる。不安になると身体が交感神経モードになり、免疫機能が低下します。

2. 氷枕で頭を冷やしてあげる。体全体の熱を下げずに、頭の熱を下げる。それだけでも身体が楽になります。

3. ぬれソックスで足を冷やしてあげる。寝ている状態の時に、冷たい水でしっかり絞った木綿のソックスの上にウールなどの厚手ソックスを履かせます。足の冷えを温めようとして血流が頭から足に向かう身体のメカニズムを利用して頭の熱を下げるのです。朝起きた時にはぬれソックスはカラカラに乾いていますよ。

4. 水分を充分に補給する。発熱して免疫活動が活発になると脱水します。充分に水分を与えてあげましょう。

5. ハチミツ入りレモンの絞り汁(1歳未満はハチミツ不可)。免疫活動には、主にビタミンC、A、亜鉛が必要とされます。サプリメントの服用が難しい幼児には、ハチミツとレモン汁のお湯割りがおすすめ。

6. 甘いお菓子など砂糖を控える。新鮮なフルーツをそのままで食べるのは大賛成です。免疫を応援してくれるビタミンやミネラルが多く含まれています。けれども、ただ甘いだけの菓子類は血糖値を上げ、ウイルスや菌の活動を助長してしまいます。

7. Echinacea、Osha、Sambucus、Goldensealなどのハーブ薬は症状にあった免疫活動を促進してくれます。試してみるのもよいかもしれません。ただ、幼児には難しいかな。

うちの娘さちの場合、7はダメでしたが1〜6すべて実行。4日目に見事にウイルスを撃墜して回復しました。

こうして考えて行くと、免疫も、勉強やスポーツに似ていると思いませんか? 学んでほしい上手になってほしいといくら親が切望しても、本人自身が努力して身につけるしか方法はない。苦労して自分で達成して初めて自分の実力になる。免疫も全く同じです。自分で乗り越えれば、身体にしっかりと抗体が出来る。風邪をひく、乗り越える。。。を繰り返しながら、子供の免疫はメキメキと強くなっていくのです。

(夕焼け新聞2014年9月号掲載記事より)

千賀子・ハーパー(西脇)
自然医学(ナチュロパシー)を専門とするオレゴン州認定のファミリードクター。副作用をともなう製薬を極力さけ、身体にやさしい自然療法で自己治癒を促進し、心身ともに真の健康をめざす統合医療に取り組んでいます。糖尿病、心臓血管病、婦人病、神経痛、アトピー性皮膚炎、アレルギー、自律神経失調、ホルモンバランスなど、また定期検診や栄養指導など、日本語でお気軽にご相談ください。健康保険の適応あり。

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タグ:子育て、発熱、自然療法、自然医学、ナチュロパシー、予防接種、ワクチン

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