Monday, February 12, 2018

たかがめまい、されどめまい。めまいを徹底解明!

英語ではDizzinessと言いますが、めまいは、大なり小なり誰もが経験したことのある症状ではないでしょうか。でも、立ちくらみもめまいだし、頭がぐるんぐるんするのもめまい。めまいと一言でいっても実は症状は様々で、その原因もまた様々です。そこで今月は、一般的なめまいを解説します。

目、耳、脳で身体のバランスが保たれている
めまいは身体の平衡感覚を失った状態の総称です。私たちの身体の平衡感覚は、目、耳、脳の機能で保たれているので、このどれに支障が起こってもめまいを発症します。ところで、目、耳、脳の機能のうち、一番激しいめまいを引き起こすのはどれだと思いますか?脳かなと思うでしょ?正解は耳なんですよ。

回転性のめまい 
半規管と呼ばれる三つのパイプでできた器官が内耳にあり、そのパイプの中の液体の流れで身体の平衡感覚を察知します。目をつぶりながら体を動かしても自分の位置がだいたいわかるのは、この半規管のおかげなのです。このパイプが詰まったり、ウイルス感染で炎症が起こったりして液体の流れが悪くなるとぐるんぐるんする激しいめまいに襲われます。耳石や脱水が原因でパイプの流れが悪くなることで起こるのがPositional Vertigo(良性発作性頭位)。ウイルス性の炎症が原因で起こるのがVestibular neuritis(前庭神経炎)、聴力も失われている場合は、ウイルスが半規管だけでなく音を察知する器官にも感染が及でいるLabyrinthitis(迷路炎)、これは緊急事態。すぐに医師の診察を受けてください。

頭が真っ白になるめまい
脳に十分に酸素や栄養素が行き届いていないと脳の神経機能が十分に働かなくなり、めまいが起こります。代表的なのが貧血。肺に吸い込まれた酸素は、赤血球の中のヘモグロビンの鉄にくっついて身体中の細胞に送られます。ご存知のように人間は酸素無くしては生きられません。体内の鉄分が不足していると、酸素を取り込むことができず体全体が低酸素になり、脳の機能が低下してしまいます。たかが貧血、されど貧血。慢性的な貧血は体全体を栄養不足にし、機能を低下させる「重病」と考えるべきです。よくある原因のもう一つは、立ちくらみを伴う起立性低血圧。普段から血圧の低い人に起こりやすいですが、寝不足、慢性疲労、ストレス過多の人は、血圧を一定に保つ機能を司っている副腎機能の低下で血圧の調整に不具合が起こり、起立性低血圧を発症します。ストレス性の過呼吸も脳が低酸素になり、めまいを引き起こします。血液の循環が滞る徐脈、頻脈などの不整脈も、心臓のポンプ機能の低下で脳が低酸素になり、めまいを発症します。特にシニアの方で、めまいが気になる方はかかりつけの医師にご相談ください。

脳の疾患が原因のめまい
一番緊急を要するのが脳の疾患によるめまい。まっすぐ歩いているつもりなのに傾いていく、ふわふわと雲の上を歩いているような感覚になる、うまくバランスが取れないなどの症状は、脳卒中、脳腫瘍など、脳内神経の損壊が原因の可能性もあります。かつては再生不能とされた神経も、リハビリにより機能回復が可能であることがわかっています。激しいめまいでないので、我慢しがちですが、放って置かずに医師にご相談ください。

千賀子・ハーパー
自然医学(ナチュロパシー)を専門とするオレゴン州認定のファミリードクター。副作用をともなう製薬を極力さけ、身体にやさしい自然療法で心身ともに真の健康をめざす統合医療に取り組んでいます。糖尿病、心臓血管病、婦人病、神経痛、アトピー性皮膚炎、アレルギー、自律神経失調、ホルモンバランスなど、また定期検診、婦人科検診、栄養指導など、日本語でお気軽にご相談ください。各種健康保険の適応あり。

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